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発言のやり取り

条例予算特別委員会 経済振興分科会2026年3月16日(月) 開催

1. 就農応援・新規就農者育成

質疑・意見委員
就農応援事業や新規就農者育成総合対策について、就農者の相談件数や、実際に就農して今も営農を続けられているかなど、把握している数字があれば示してください。
答弁執行部
就農応援事業では、市の相談窓口や民間・県のセミナー等を通じて相談を受けており、相談件数は令和4年度以降おおむね100件程度で推移し、6年度は160件ほどでした。7年度は集計中ですが100件は超える見込みです。新規就農者数は直近の6年度が29人で、7年度は農地のマッチング状況の影響もあり6年度と同水準に達するか不透明です。営農継続状況の全体像の把握は難しいですが、経営開始資金を受給している人は売上げ等を確認しており、就農から3年程度で農業収入が1,000万円を超える人がいる一方、十分な生産に至っていない人もおり様々です。
質疑・意見委員
売上げが1,000万円を超える人もいれば、うまく営農できていないところもあるとのことですが、うまくいかない原因を把握していれば示してください。
答弁執行部
経営開始資金の受給者は、圃場(畑)の巡回で農協や県と連携して経営状況を確認しています。その中には、病害で作付が想定どおり進まなかった事例、水はけ等が十分でなく生産が思うようにいかなかった事例もあります。研修を受けて就農したものの実際に始めると難しいという声も聞いています。
質疑・意見委員
新規就農者が今後も営農を続けられなければ、食料安全保障の観点からも大きな影響が生じます。農業従事者の高齢化が進み平均年齢も70歳台後半に達しています。相談件数などの数値目標を達成するだけでなく、新規就農者が経営を安定させ営農を続けられる支援が必要です。よい農地もそうでない農地もあるため、本市として新規参入のハードルが低くなる支援をしてほしいですが、いかがですか。
答弁執行部
巡回を通じて、必要な資本装備が不十分で畝立てなどが十分にできていない新規就農者も見受けられるため、作業に必要な機械等を適切にそろえられるよう補助事業の紹介などを行っています。農地は農業委員会と連携して引き続きマッチングに取り組みます。
質疑・意見委員
高齢の農業従事者が増えていますが、本市として高齢の農業従事者に対してどんな支援や補助メニューがありますか。
答弁執行部
新規就農後も営農を続ける中で、規模拡大を望む人や、施設の老朽化で更新が必要な人もいるため、本市は機械・施設の更新等を支援する補助事業の充実を図っています。
質疑・意見委員
地元からは、機械が故障すると営農を続けられないという声や、借入金の返済があるため辞めたくても辞められないという声が寄せられます。新規就農者の定着と同時に、高齢の農業従事者を大事にしながら次の世代へ営農を継承する役割があると思うので、本市独自の支援メニューなどで補助・支援してほしいですが、いかがですか。
答弁執行部
機械が壊れたら営農を続けられないという声には、『未来へつなげる農村の担い手支援事業』でトラクターや田植機、コンバインなどの買換えを支援しています。
質疑・意見委員
今回の支援拡充は、現場からも1年ほど前から要望が多く寄せられており大変助かっています。今後ともこうした支援メニューを増やしてください。

2. 農地の維持管理・耕作放棄地

質疑・意見委員
農地の維持管理について、令和8年度はどんな予算措置を講じていますか。また、地域によって様々な事情がある中で、特に重点的な支援や伴走支援を実施するエリアがあればその内容を教えてください。
答弁執行部
農地は以前から耕作放棄地の再生に取り組み、荒れた農地を再生し活用する農業者に助成しています。令和7年度からは、遊休農地の発生を抑え農地を保全するため企業等が農地を活用できる仕組みづくりの実証実験を開始しました。7年度は1か所でしたが8年度は複数エリアで予定しています。7年度は比較的状況のよい農地で取り組みましたが、8年度は荒れた農地の再生も含めて取り組めるよう対象エリアの選定を進めます。
質疑・意見委員
特に耕作放棄地は、耕作希望の手が挙がりにくく、放置すればイノシシなど鳥獣被害の発生源になるため、今後とも支援をお願いします。

3. 鳥獣被害対策

質疑・意見委員
鳥獣被害対策について、令和8年度に新たに講じる取組や予算措置はありますか。また、広域連携による取組など検討していることがあれば示してください。
答弁執行部
令和6年度から民間事業者や猟友会による集中捕獲などを行っており、8年度も引き続き鳥獣被害が減るようしっかり取り組みます。
質疑・意見委員
捕獲件数が増加している地域もあると聞きますが、大切に育てた作物が収穫直前に被害を受けることは精神的にも大きな負担で離農につながります。北崎地区だけでなく女原地区辺りにもイノシシが下りてきて荒らしているとの声もあります。捕獲以外にも毎年何千万円も予算措置していると思うので、今後とも農林水産局で検討するよう要望します。

4. 防災重点農業用ため池(水位計)

質疑・意見委員
防災重点農業用ため池について、令和8年度は水位計の設置をするとあり、以前ICTを活用するとの答弁がありましたが、進捗状況を教えてください。
答弁執行部
ため池に水位計や監視カメラを設置する事業は令和6年度から着手し6か所に設置しました。7年度はいずれも入札不調で1か所も整備できていない状況です。予算は8年度に繰り越し、既に9か所の水位計・監視カメラの発注が終わっています。
質疑・意見委員
ため池は2年ほど前の質問で、江戸時代に造られ強度が分からないとのことでしたが、大雨の際に農家が心配して見に行き足を滑らせて事故が起きることもあるため、早急に対応するよう今後ともよろしくお願いします。

5. 肥料の価格高騰(花卉農家)

質疑・意見委員
昨今の海外での戦争の影響で、特に肥料の価格が非常に高騰していると新聞にありましたが、肥料等高騰への支援状況や今後の対策について考えを聞かせてください。
答弁執行部
肥料については、令和8年2月の補正予算で農業者の負担軽減に取り組みます。また、国際市況の影響を受けにくい農業への転換を図るため、下水汚泥から取り出した再生リンを活用した肥料への支援として地域資源活用型農業チャレンジ事業にも取り組んでいます。
質疑・意見委員
戦争が始まる前から花卉(花)農家の多い北崎地区で肥料価格の上昇の相談を受けており、今回の補正予算の対応もありがたいです。新規事業の福岡市内産花きマーケティング事業は、花の提供という形が多いと思いますが、コロナも明け活性化すると思うので、花卉農家を守るため消費拡大の支援を続けてください。国や県の支援がない場合は本市独自のメニューをつくるなど今後とも支援をお願いします。

6. スマート農業(ドローン・草刈り機)

質疑・意見委員
スマート農業について、現場の声を聞きながら行っている取組の状況を教えてください。
答弁執行部
スマート農業は、生産現場の課題解決のため、スマート農業推進協議会で電動ラジコン草刈り機を購入し中山間集落の草刈り活動で貸出しの実証実験を行っています。ほかに、夏場の生育不良対策としてプラズマを照射した種子の生育を図る実証実験や、e-kakashiという圃場環境を計測する機械でデータ収集しながら営農する実証実験も行っており、これらを実装につなげたいと考えています。
質疑・意見委員
現在、導入実績はないのですか。
答弁執行部
『未来へつなげる農村の担い手支援事業』で、令和4〜7年度にドローン5台、ラジコン草刈り機2台を助成しています。
質疑・意見委員
今津リフレッシュ農園のドローンや草刈り機の展示会で、ドローンによる肥料散布や播種の実演がありましたが、機種代のほかにバッテリーを予備で2〜3個買う必要があり、メンテナンス費用もかかりかなりの値段で、農家もなかなか手が出せないとのことでした。自分で購入するのでなく、ドローン操作やスマート農業を行う外注チームを本市などが組んで必要なときに来てもらえれば助かるという声がありましたが、いかがですか。
答弁執行部
今後とも農家の声を聞きながら、必要な施策をしっかり検討していきます。
質疑・意見委員
高齢者は操作も大変だという声も聞くので、ぜひ地域特性に合ったスマート農業を導入してください。

7. 農業者の熱中症対策

質疑・意見委員
夏場もハウスの中で作業することがありますが、工事現場の人が熱中症対策で着ている扇風機付きの作業着などの購入に対する補助はありますか。
答弁執行部
現状で作業着への支援はありませんが、園芸産地育成事業というハウス等の設備への支援の中で、遮光ネットや遮光カーテンの補助を行っています。
質疑・意見委員
その支援メニューは現場も助かっているのでぜひ続けてほしいですが、作業する人は常に2リットルの水を持ち歩き午前中で飲み終わるとも聞きます。夏場は草刈りも大変で高齢化も進み、農地の近くに自動販売機もなく皆水を持って働いています。本市としてこうした声があることを受け止めてほしいと要望します。

8. 酪農(餌代高騰・堆肥)

質疑・意見委員
酪農は餌代が高騰し、気温変動で牛の体調次第で生乳の質が違うという声が多く届き、負担が大きいです。本市の酪農家は朝夕搾乳し、餌のデントコーンを自分で育て昼休みに草刈りをするなど休む間もなく働いていますが、経営が厳しく辞める酪農家が増えています。堆肥を利用した耕畜連携の要を酪農が担っていると言っても過言でなく、西区では九州大学移転で人口が増える中でも臭い対策をしながら頑張っています。酪農家の経営安定化のため今後も何らかの支援をお願いしたいですが、令和7・8年度に支援や補助のメニューはありますか。
答弁執行部
畜産農家の支援は、畜産環境整備経営対策事業で飼養施設の整備や畜舎改造などの費用を助成しています。令和8年2月の補正予算では、飼料価格高騰の影響緩和のための飼料代の助成や、酪農家への酪農後継牛の助成を実施します。地域資源活用型農業チャレンジ事業では、耕畜連携による飼料の生産と、畜産農家による自給飼料の生産効率向上を支援します。
質疑・意見委員
現場に行けば分かりますが、堆肥が足元に大量にあり、搾乳後は清掃が必要で、牛にストレスを与えないよう頑張っています。本当に過酷な現場で、西区元岡や早良区でも頑張っているので、今後とも本市独自の支援メニューでも構わないのでぜひ支援するよう要望します。

9. 農林水産局の予算の重点・都市農業の制約

質疑・意見委員
令和8年度の予算措置で、農林水産局が一番力を入れている部分について考えを聞かせてください。
答弁執行部
令和8年度予算は7年度と比べて一般会計で約12億円増額して計上しています。議会の意見や生産者の声も踏まえ、生産基盤の維持・整備と担い手の確保に力を入れました。生産基盤ではハウス整備の補助金増額、漁業では藻場の再生拡大の新規事業、担い手確保では農業機械の導入補助の内容拡充や増額に取り組んでいます。
質疑・意見委員
農業予算が少なく制約があります。政令市の中での都市農業で消費者は多く、農家は消費者への距離が短いという強みがあるので、今後とも本市の農業・漁業を守るため力強い支援をお願いします。

10. 燃料費等高騰支援(酪農・漁業)

質疑・意見委員
令和8年2月補正予算で、飼料や肥料など酪農家や漁業者の支援をしてもらいありがたいですが、今後の世界情勢でまた物価が高騰する可能性は十分あるため、令和8年度もその都度予算措置することを頭に入れて取り組むよう改めて要望します。
質疑・意見委員
燃料費等高騰分の支援として経済観光文化局が実施する支援事業と、漁業者への支援があり、一緒に案内してほしいですが、いかがですか。
答弁執行部
燃料費等高騰分の助成は経済観光文化局と連携して取り組んでいますが、まずは経済観光文化局の制度における申請が必要です。一度、漁業者には制度を通知していますが、申請が間もなく開始されるため、始まった段階で改めて市漁協を通じて全漁業者に申請先を通知したいと考えています。
質疑・意見委員
手続が面倒で申請しない人や、純粋に知らない人もいると思うので、漁業者に限らず農業者にもぜひ改めてしっかり周知するよう要望します。

11. 漁業・水産業のDX

質疑・意見委員
漁業・水産業に関して、現在DX化などについてどんな取組がなされていますか。
答弁執行部
現在のスマート化では、水中ドローンの活用で海の中を地上から見たり、カキ養殖場のICTブイの設置で海水温や塩分濃度などの情報を記録することを実施しています。
質疑・意見委員
農業に比べ難しい部分もあり少ないと感じますが、魚が多い場所が分かるものなど他都市の事例もあるようなので、ぜひ研究し実証実験に取り組むよう要望します。

12. 農業用水路の入札不調

質疑・意見委員
農業用水路などで入札不調が見受けられ増加しているように感じますが、実際の件数を把握していますか。
答弁執行部
防災重点農業用ため池に係る入札不調は、水位計の設置に関して4件発生しました。また、水路やため池の改良工事でも数件の入札不調が発生しています。
質疑・意見委員
同じ箇所で入札が不調になる事例も見受けられます。価格によるものか他の要因かを的確に把握する必要があります。不調の際は事業者から十分にヒアリングしていると思いますが、それでも不調が続く状況を踏まえ、今後は改めて事業者へのヒアリングを行うなどしっかり対応してほしいですが、いかがですか。
答弁執行部
入札不調の案件は、参加業者に理由を聞き取っています。価格が理由なら再度設計を見直し、合わない部分を検討して見積りを採用するなどの対応を取っています。現場の作業員の人手不足という理由も増えているため、発注時期をずらすなどの対応も行っています。
質疑・意見委員
農業者にとっては作業の時期が重要なので、今後は入札不調が生じないようしっかり取り組むよう要望します。

13. 地域計画推進事業・鳥獣被害の共同利用

質疑・意見委員
地域計画推進事業について、現在の進捗状況と今後の取組を教えてください。
答弁執行部
令和6年度に策定した地域計画について、農地の権利移転等を含む一部更新のため地域協議の場を設けて協議を進めてきました。現在は縦覧・公告といった法的手続を行っており、令和7年度末までに改定する予定です。
質疑・意見委員
その協議の中でどんな意見や要望が出ていますか。また、将来に向けてどんな検討をしたいという声がありますか。
答弁執行部
今回の更新の地域協議では、農業用施設の点検や補修の要望、補助金をより使いやすくしてほしい、鳥獣被害にしっかり対策してほしいといった意見が出ています。
質疑・意見委員
西区で地域から話を聞く機会があり、資料では鳥獣被害に関する意見が最も多いと認識しています。令和8年度に予算が拡充されるコンバインの共同利用についても意見が出ているようですが、西区では全ての地域でコンバインの共同利用を検討しているのですか。
答弁執行部
市農協管内では、全体としてコンバインの共同利用の可能性を検討していくというスタンスの下で議論されています。例えば周船寺地区では品種の統一が必要という点が、元岡地区では大規模農家との共存の在り方などが議論されています。
質疑・意見委員
ラジコン草刈り機についても共同利用が検討されていますか。
答弁執行部
市農協からは、共同利用として想定しているのはラジコン草刈り機ではなく稲刈りの際に使うコンバインの共同利用と聞いています。ラジコン草刈り機は令和7年度にスマート農業推進協議会で購入しており、今後、地域へ貸し出す形が可能か検討している段階です。
質疑・意見委員
ラジコン草刈り機についても共同利用の検討を行うよう要望します。

14. イノシシ被害(被害金額・面積)

質疑・意見委員
鳥獣被害は各地域から課題として挙げられ、令和6年度から集中捕獲などの取組を強化していると認識しています。5〜7年度のイノシシの捕獲頭数と被害金額を教えてください。
答弁執行部
イノシシの捕獲頭数は令和5年度が1,133頭、6年度が1,827頭、7年度が12月末現在で944頭です。農業被害額は鳥獣被害全体で5年度が2,967万6,000円、6年度が2,899万7,000円で、4年度は3,362万円であり減少傾向と考えていますが、依然被害が発生しているため引き続きしっかり取り組みます。
質疑・意見委員
イノシシに関する被害金額と被害面積を教えてください。
答弁執行部
鳥獣被害全体のうちイノシシに関する被害額は令和4年度が2,411万2,000円、5年度が1,857万3,000円、6年度が1,899万6,000円です。被害面積は4年度が9.68ヘクタール、5年度が8.47ヘクタール、6年度が8.46ヘクタールです。
質疑・意見委員
被害金額は年々減少しており、これまでしっかり取り組んだ成果です。一方、市民からの相談は、鳥獣被害防止計画のとおりイノシシによる被害が最も多い状況です。令和8年度も同様に進めてもらえると認識していますが、必要以上に捕獲を進めるのではなく、引き続き着実に対策を講じることが重要であり、しっかり取り組むよう要望します。

15. 農林水産局の全体予算と総合計画

質疑・意見委員
農林水産局の全体の予算について、令和8年度は約12億円の増額ですが、これは7年度が少なかったことが要因で、6年度との比較ではそこまで増額されていないと考えます。予算を上げればよいという話ではないと理解していますが、農業者数も減っている現状も踏まえ、農林水産局の予算を抜本的に引き上げていくことに取り組んでほしいです。農林水産局だけでできることではないので、関係部局とも連携してしっかり取り組んでほしいですが、いかがですか。
答弁執行部
農林水産局の予算はこれまでも応援してもらっていると認識しています。令和8年度の予算要求では生産者をはじめ現場の意見をしっかり聞くことを重視し、求められている事業を検討して要求するよう指示し、現場から特に要望の強かったハウス等の支援や農業機械の支援は可能な限り大幅な増額を要求し、財政局とも協議の上で予算案に反映されたと認識しています。今後の厳しい状況を踏まえ、国や県の施策だけでは足りないものや、都市ならではの戦略として必要な取組を国・県に上乗せするとともに、不足している分野の市独自の施策も新たに検討する必要があると認識しています。今後とも現場の意見を聞きながら、危機感と緊張感を持って取り組みます。
質疑・意見委員
農林業・水産業総合計画は、令和9〜13年度の次期計画策定に向け7〜8年度に審議会を開催するようになっています。現計画は4〜8年度ですが、本市の4〜8年度の予算案は現計画を基に作られたと考えてよいですか。
答弁執行部
そのとおりで、説明資料の重要施策は計画の柱に沿いながら予算措置しています。
質疑・意見委員
現計画を令和4〜8年度の5か年計画として3年度に策定した際、30年後の長期ビジョンも併せて策定しており、長期ビジョンや10年後のあるべき姿を設定し、そのギャップを埋めるための5年間の施策を推進する計画だと書いてあります。農林業と水産業について、長期ビジョンとしてどんな将来像を定め、3年度時点の現状とのギャップをどう捉えていたか教えてください。
答弁執行部
農林業は30年後の長期ビジョンとして『食べ物がおいしいまちを支え、農とともにある豊かな暮らしをつくる』を掲げ、所得の向上をはじめ市民の心が満たされ農業者を誇りに思い、本市の魅力向上に寄与する食を支える農業を残す思いで掲げました。令和3年度時点の課題は、前計画でも農業所得向上を目標にしましたが目標額に達せず、認定農業者数や担い手への農地集積など一部未達もあったため、5年間で改めて目標設定しました。水産業は30年後の長期ビジョンを『世界に誇る!!!魚のおいしいまち・福岡』とし、水産物の安定供給・流通加工の拡大・消費の拡大・就業構造の確立の4項目が好循環になるよう進めることとしました。策定時のギャップは、気候変動などで藻場の減少や回復の遅れ、海底ごみが減らないなど漁場環境が厳しく、就業支援を講じても漁業就業者の減少や高齢化に歯止めがかからず、生産量や生産金額も減少傾向という状況でした。
質疑・意見委員
長期ビジョンをつくってもらったのはありがたいですが、農林業・水産業とも非常に抽象的で、現状と比べようがありません。その結果、5か年計画で取り組んできても農業者の平均年齢も所得も効果が上がっていません。次期計画を審議会に諮る際は、まず本市が将来どんな農林業・漁業を目指すかを長期ビジョンで具体的に決め、現状との違いについて5年または10年でどんな目標を設定して取り組むかを決めれば、後で何がよくて何が悪かったか検証できます。国や県から施策が降りてくるのを待つだけでなく、現場を持っているのだから現場の声や現状を国や県にも伝え、関係者や有識者と一緒に長期ビジョンを考える審議会にしてほしいです。今の審議会はただ思うことを言っているだけで先が見えません。特に志賀島など農業振興地域は、農業する人がいなくなっても他に転用できず、地域の人口減も心配です。現場にしっかり説明し声も聞きながら長期ビジョンをつくる審議会にしてほしいですが、いかがですか。
答弁執行部
次期の農林業・水産業総合計画は、現在それぞれの振興審議会に諮問しており、近々分科会に分かれて詳細な議論をしてもらいます。農林水産局が事務局として、まず意見を聞きたいため、完全に固まった案でなくたたき台を示して意見を聞きながら一緒につくっていきたいと考えています。
質疑・意見委員
必要なら少し時間をかけてもよいですし、国や県の人と意見交換する場面があってもよいと思います。この計画は将来の本市の農林業・漁業のために非常に大事なので、時間も予算もしっかり使ってよい計画をつくるよう要望します。
質疑・意見委員
担い手不足は全国的な問題で厳しい状況ですが、本市としてどんな課題があると認識していますか。
答弁執行部
本市の農業の担い手も全国同様、従事者の減少・高齢化・後継者不足が課題です。将来の中核的な農業者になってもらうため、特に若い人を中心に意欲ある担い手の確保・育成に努めます。あわせて、兼業など小規模な従事者や、農業者だけでは難しい部分は市民や企業の参加も含め、全体として本市の農業を支える人材を確保していきます。
質疑・意見委員
農業は様々な部分でお金がかかり、若い人にとっては失敗した場合の借金への不安が心理的なハードルです。審議会でも、女性用トイレの整備や育児と農業の両立といった課題が話題に上がりました。昔は家族経営が多かったですが、今はそれが難しい中でも農業に関心を持つ人が一定数います。所得の問題も踏まえると10年後のビジョンが見えにくく、補助金が切れたときに生活が成り立つのかという心配の声もあります。相談できる相手がいるかどうかも課題で、本市が寄り添う姿勢で支援しようとしていると感じますが、こうした課題が実際に施策へ反映されているか、考えを聞かせてください。
答弁執行部
経験のない人がいきなり就農すると経営が軌道に乗らないケースもあるため、本市は未経験でも安心して始められるよう就農前から伴走型の相談支援を行い、相談窓口で技術習得の研修も案内しています。就農後は新規就農者育成総合対策などの補助事業で資金面や機械・施設の整備を手厚く支援し、国の補助対象外の部分も市独自のスタートアップ支援事業などで補完し、就農後数年間にわたり継続的に支援を受けられる体制です。軌道に乗る段階では充実した融資制度や収入保険などのセーフティーネットを国・県・市が手厚く措置しています。近年は市街地に住んで通いながら農業に従事する人も増え、トイレや倉庫の確保などの課題があるため、農協等と連携して取り組んでいます。
質疑・意見委員
予算額を見ると令和7年度と比べ農林水産局として努力していると感じますが、担い手の減少が続く現状を踏まえるとより一層ギアを上げなければ厳しいと認識すべきです。農業機械や器具の課題は予算の制約があると思いますが、今後はサブスクリプションなどの仕組みも含め、個々の農家が借金や負担を抱える形でなく、可能な限り労務費として集約し心配しなくてよい形を取る必要があります。予算に制約があるため国や県への要望も併せて行う必要があります。一度に大きく変えるのは難しいので、モデルケースとして新規就農後100日、3年といった過程をストーリーとして発信すれば市民の理解や応援につながると思うので、より一層力を入れてほしいですが、いかがですか。
答弁執行部
新規就農については、令和6年度に就農ガイドを見直し、農外からの参入者や農家子弟など様々な事例を紹介し、多様なケースを分かりやすく周知する工夫を行っています。農家の経営状況は品目や規模で様々で、基準となる作付モデル等を県や農協と協議して本市として提示しています。新たな計画策定に当たり経営上の工夫や取組を農家に一部ヒアリングしており、その中から好事例を紹介していきたいと考えています。

16. 農水産物のブランド化・未利用魚

質疑・意見委員
農水産物のブランド化の推進について、例えば魚は鮮度の違いで味が変わると考えられますが、鮮度に関する情報のデータ化について、現在何らかの取組を進めていますか。
答弁執行部
実施していません。
質疑・意見委員
鮮度の情報をデータ化すれば、価格や味にどの程度違いが生じるかを示せて市場での差別化のきっかけになると考えます。今後に向けた調査事項の一つとして検討してほしいですが、いかがですか。
答弁執行部
市内産農水産物は市内で生産されたものがすぐ消費者に届くため非常に高い鮮度で提供できると考えています。ブランド化の一環として、市内産であることを市民や消費者に分かりやすく伝えられるよう、令和7年度には小売店での物販ブースの設置などの工夫を行っており、今後さらに進めていきます。
質疑・意見委員
生産地と消費地が近い点は本市の最大のメリットです。より高く販売する戦略として、近いから鮮度がよいという点に甘えず、データとして示していくことが重要な視点だと考え、要望として述べておきます。
質疑・意見委員
未利用魚の活用について、本市はブランド化を進める中で、強いブランド力を持つ近隣都市と比較される場面も多く、ロット数(数量)の確保でも苦労があると思います。より高く販売する戦略や今後の展望があれば示してください。
答弁執行部
未利用魚に限らず、水産物を高付加価値で販売する取組の一例として、一大消費地である本市の強みを生かし、市内産の魚を扱ってもらえる民間事業者と連携しています。具体的には、市と民間事業者が連携して市内の高級ホテルやレストラン(例えばザ・リッツ・カールトン福岡など)に一緒に営業活動を行い、市内産の魚を使ってもらいブランド化を進めています。市内産のロット数は豊富ではなく一定の限界があるため、通年でなく期間限定のフェアという形で限定メニューを提供してもらいPRしています。市内産の料理に関心を持ち味わってもらう機会を創出することが目的で、今後もロット数の多寡にかかわらずPRにしっかり取り組みます。
質疑・意見委員
経済観光文化局の審査でも話題になりましたが、いわゆる二重価格(市内在住者と来街者で価格を変える設定)の在り方について意見が出ました。これを踏まえ、食品分野で一つのきっかけをつくれるのではないですか。宿泊施設などで居住地により価格差を設ける場合、どこから来た人かの判別が難しい部分もありますが、加工方法やブランド化で一定程度高い価格で提供し、購入できる人に購入してもらう形なら価値を高められると考えます。来街者をターゲットにより購入してもらえるアピール方法を取り入れ、ロット数の制約を補う施策を検討してほしいですが、いかがですか。
答弁執行部
市民だけでなく観光客にも市内産農水産物を購入してもらうことは重要と認識しています。令和7年11月に東京都で開催された全国都市農業フェスティバルで市内産農産物の加工品を出展・販売しPRし、8年1月には観光客が多く訪れる博多駅で市内産農産物の加工品の販売・PRを行いました。引き続きPRにしっかり取り組みます。
質疑・意見委員
これまで全く取り組んでいなかったのではなく、一定の取組は進めてもらっていると理解しています。その上で、第1次産業に従事する市民のさらなる所得向上のため、農林水産局には今後一層尽力してもらい、積極的なPRに取り組んでほしいです。

17. 花粉発生源対策(切り手・境界調査)

質疑・意見委員
花粉発生源対策について、10年間の目標に対する現在の進捗状況を教えてください。
答弁執行部
国は令和5年に今後10年間で杉人工林を2割削減する方針を示し、本市も令和6〜15年度の10年間で計画的に杉・ヒノキ人工林の伐採を進めることとしています。本市には杉・ヒノキの人工林が約4,900ヘクタールあり、そのうち花粉の発生量が多いとされる31年生以上が約4,600ヘクタールを占めます。この約2割に当たる920ヘクタールを10年間で伐採する計画です。進捗は6年度80ヘクタールを目標としましたが、私有林の伐採が十分進まず実績は55ヘクタールでした。7年度も80ヘクタールを目標とし、現時点では目標を達成できる見込みです。
質疑・意見委員
目標を達成できなかった要因は、人手不足の影響が大きかったのですか。それとも私有林の所有者の把握が難しいなど別の問題があったのですか。
答弁執行部
令和6年度は木材価格の低迷が続き、伐採後に木材を売却しても収入が伐採経費を下回り赤字になる状況が生じていました。そのため私有林所有者の伐採意欲が高まらず伐採が進みませんでした。これを踏まえ、7年度からは林業機械のレンタル・リース費用への補助や、伐採木の運搬経費への補助制度を新たに導入し、その効果もあり7年度は私有林の伐採が着実に進んでいます。
質疑・意見委員
花粉発生源対策で、以前は切り手を増やしたほうがよいと意見しましたが、現場に行くと伐採する木は結構な大きさで、市民が切り手になるのは危険で無理な話をしていたと感じました。価格低迷の話もあったので、一口伐採支援のような形やふるさと納税を活用した支援などは検討していないですか。
答弁執行部
ふくおか応援寄付の中に森づくりのメニューを設けており、寄附金を市営林の保育管理事業に充てて適切な森林管理を行っています。
質疑・意見委員
境界調査はこれから大変になると思いますが、本事業にもふくおか応援寄付の寄附金を充てることができますか。
答弁執行部
適切に管理されていない私有林について、所有者への意向調査や森林整備を円滑に進めるための森林境界の明確化を実施しており、国の森林環境譲与税を活用して適切に実施しています。
質疑・意見委員
いきなり市民に切り手になってもらうのは難しいので、デジタル技術による支援は現実的な支援として考えられます。市民に木を使った事業を周知することも都市型である本市ならではのアピールになると思いますが、活用の部分の現状を教えてください。
答弁執行部
民間施設の木材利用を促進するため、令和7年度から民間施設の木質化補助を実施し、500万円の予算で上限250万円の補助を行っています。現在までに3件の申請があり予算をほぼ全額執行する見込みです。7年度には8件の相談があり好評を得ているため、8年度は上限250万円の3件相当で750万円の予算を計上しています。
質疑・意見委員
相談件数の全てに対応するのはなかなか難しい面があると思いますが、状況を教えてください。
答弁執行部
民間事業者が地域の木材を調達する際、具体的な調達方法が分かりづらい部分もあるため、令和7年度から市に相談窓口を設置して製材業者・加工業者などを紹介するなど、事業者とのマッチングに取り組み木材の利用促進を図っています。
質疑・意見委員
市民に事業の内容を知ってもらうことが重要です。例えば『この木はこの人が伐採した木材である』といった形で、背景や経緯が伝わるストーリー性のある発信手法を検討してはどうかと考えますが、いかがですか。
答弁執行部
林業や木材の魅力を市民に発信することは非常に重要と考えており、令和7年度には情報発信の一環としてインスタグラムのアカウントを開設し、林業の魅力や木材のよさを紹介する動画の制作、民間の木材関連施設の優良事例の紹介などを行っています。
質疑・意見委員
花粉症で苦しむ市民が非常に多い中、花粉発生源対策として木を伐採する計画について、私も周知に努めていますが、現状では十分に認知されているとは言い難い面もあります。様々な工夫で取組の背景や意義が伝わるストーリー性のある形で発信し、市民により身近に感じてもらえるよう進めてほしいですが、いかがですか。
答弁執行部
花粉症は多くの人が悩みを抱えていると認識しており、こうした取組を分かりやすく伝えることは非常に重要です。今後はPRの観点も含め、ホームページやSNSなどを活用しながら本市の取組をできる限り幅広く発信していきます。
質疑・意見委員
これまで精一杯取り組んできたことは承知していますが、ぜひ今後ともこれまで以上に様々な取組に挑戦して積極的なPRを進めてください。

18. 次代へつなぐ地産地消推進事業

質疑・意見委員
次代へつなぐ地産地消推進事業について、令和7年度は博多和牛・あまおう・ブリを対象としており、8年度は拡充予定とのことですが、現時点で具体的に検討している品目はありますか。
答弁執行部
本事業の拡充では、新たに品目を1つ追加し、はかた地どりを対象に加える方向で検討しています。子どもたちに実際に食べてもらう取組は印象に残りやすい一方で一過性になりがちなため、より記憶に残るよう事業内容を伝える動画を作成し発信します。博多和牛は令和6年度から提供し子どもたちに好評のため8年度も引き続き提供する方向で教育委員会と協議し、あまおうも好評だったため8年度の提供に向け協議したいと考えています。水産物は現在検討段階で、魚食普及の観点も踏まえ、おいしく食べてもらえるよう提供方法や魚種を検討しています。
質疑・意見委員
子どもたちも楽しみにしており魚食普及にもなるので、しっかり取り組んでください。

出典: 福岡市議会 会議録検索システム
「会議名でさがす」で条例予算特別委員会 経済振興分科会を選ぶと、2026年3月16日(月)の記録を確認できます。