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発言のやり取り

総務財政委員会2026年4月22日(水) 開催

4月22日  午前10時4分開会         〃 11時26分閉会  開会に先立ち、令和8年4月1日付の人事異動に伴い、総務企画局から課長職以上の紹介があった。次いで、7年請願第4号の請願者から口頭陳情の申出があり、これを許した。また、5人から傍聴の申出があり、これを許した。 請願審査 7年請願第4号 市長名で非核平和都市宣言を行うことについて  本件について審査した結果、結論を得るに至らなかった。  初めに、筆頭紹介議員から「本請願の趣旨は、請願者による口頭陳情や請願要旨に示されているとおり至ってシンプルなものである。議会では、平成元年の平和都市宣言に関する決議において、明確に核兵器廃絶と非核三原則の遵守が掲げられ、その後も同趣旨の意見書が度々成立し国に送付されてきた。一方で、行政側として発表した宣言や文書に平和という文字はあるものの、核兵器廃絶ましてや非核の文言は一言も入っていないため、行政のトップである市長名で、核兵器を廃絶するという意思を明確にした、非核という文言が入った都市宣言を行うことを求めている。日本は第二次世界大戦への道を開く15年戦争の当事者であり、見解を異にする委員もいるかもしれないが、私は侵略戦争であったと認識している。その戦争の結果として、アメリカによる広島、長崎への原爆投下が引き起こされ、我が国は唯一の戦争被爆国となった。一瞬にして数十万人の命が失われ、両市ともに壊滅的な被害を受けた。これが被爆者運動の原点であり、福岡市原爆被害者の会も核兵器をなくす努力を続けてきた結果、さきの日本被団協のノーベル平和賞受賞に至っている。そこに至る間、ICANのノーベル平和賞受賞もあり、核兵器禁止条約も成立、発効している。しかし今、核兵器保有国による先制攻撃の戦争が行われており、ロシアやアメリカは当事者である。核兵器を持てば抑止力になるという論調は、もはや幻想に過ぎないということは明白になっている。行き着く先は核兵器の使用であり、人類の破滅である。ノーベル平和賞の授賞式にも参加した日本被団協代表委員の田中煕巳氏は、令和8年4月16日付の赤旗新聞において、核抑止、すなわち核で戦争が防げると言うが全くの欺瞞であり、核戦争を起こすことが前提の議論である。核兵器は1発で瞬時に1つの都市を壊滅させ、数万、数十万の人間の命を奪う。脅しというよりも壊滅を狙うもので、もはや戦争の道具とは言えない。使うこと自体が犯罪であり、悪魔の凶器である。今度核戦争が起きれば人類は破滅すると述べている。現在、立場の違いを超えて、核兵器廃絶に向けた大きな流れをつくることが求められている。本市議会の意思が度々確認されてきた一方で、市長においては、議会の決議や平和首長会議への加盟、非核の文字のない基本構想や宣言を非核平和都市宣言を行わない理由に挙げてきた。しかし、議会と市長による二元代表制は、双方が主体性を発揮することで成立するものである。現に、市長は福岡空港への出資をめぐる議会の判断を不服とし、再議にかけたことがある。また、市長によるロープウエー構想は議会で否定された。これらに鑑みれば、議会の決議があることをもって市長名での宣言を不要とすることは、言い訳にもならないことは明白である。議会の決議や意見書とともに市長名での宣言が今こそ必要なのであり、これが今回の請願に込められた思いである。被爆者の人数が年々減少している。広島や長崎での惨状は、体験した者でなければ真の意味では分からないと思う。自分の目の前で家族が亡くなっていく。跡形もなく消えてしまった人もいる。こうした惨状を世界中のどこにおいても二度と引き起こしてはならないという被爆者の決意に対して、本市、市民、議会人は応えるべきではないだろうか。各委員においては政党や立場の違いを超えて、行政のチェック役として本請願の採択に向け努力願いたい」との趣旨説明があった。  次に、理事者から資料に基づき、昭和62年10月に策定した市基本構想の目的に、日本、アジア、世界の平和と繁栄に貢献していくことを掲げたこと、平成元年3月に市議会が平和都市宣言に関する決議案を可決したこと、平成2年9月に本市がアジア太平洋都市宣言を制定したこと、平成7年6月に市議会が核兵器全面禁止・廃絶国際条約の締結を求める意見書案を可決したこと、平成21年6月に市議会が核兵器のない世界を求める意見書案を可決したこと、平成22年7月に広島市長の呼びかけにより設立された平和首長会議へ加盟したこと、平成23年度から平和首長会議国内加盟都市会議として政府に核兵器廃絶に向けた取組の推進について要請していること、平成24年12月に策定した市基本構想の目的に改めて、日本、アジア、世界の平和と繁栄に貢献していくことを掲げたこと、平成29年3月に市議会が核兵器禁止条約の実現へ向けた取組に関する意見書案を可決したこと、令和元年9月に市議会が核兵器禁止条約の締結を求める意見書案を可決したこと、令和3年10月に市議会が核兵器禁止条約第1回締約国会議への日本政府のオブザーバー参加を求める意見書案を可決したこと、令和4年6月に市議会が非核三原則の堅持及び核兵器廃絶に向けて主導的な役割を果たすことを求める意見書案を可決したことなど、請願事項に関連する本市の主な取組状況について説明があり、請願に対する考え方として、本市としては、これまでの取組を踏まえ、今後とも、市民の平和と安全を守り、世界の平和に貢献することを基本精神として市政運営を行っていくことが示された。  なお、質疑・意見の概要は次のとおりである。

1. 請願の趣旨と宣言の意義(紹介議員への質疑)

質疑・意見委員
非核平和都市宣言を出すことの良い点・悪い点にはいろいろな考え方があると思いますが、紹介議員としてどう考えていますか。具体的な良い点があれば示してください。
質疑・意見委員
(筆頭紹介議員)市は、市長名での非核平和都市宣言はしていないものの、平和首長会議(核兵器の廃絶を目指して世界の都市が集まる組織)に参加していると繰り返し説明しています。しかし、その参加は世の中に広く知られていないのが実態です。今の世界情勢の中で福岡市が市長名で宣言を出せば、国内でも大きなインパクトがあります。福岡市はアジアに開かれた都市、アジアの玄関口と言われているのですから、先頭に立って平和を求め、核兵器をなくす姿勢を示すことが、日本や世界の流れに良い影響を与えると考えています。
質疑・意見委員
全国の自治体の95%が非核や平和について何らかの宣言をしていると聞いており、ほとんどの自治体が実施している状況だと認識しています。その中で、福岡市があえて市長名の宣言をしていない理由を、今どう受け止めていますか。
質疑・意見委員
(筆頭紹介議員)これまでも同じ趣旨の請願に紹介議員として関わり、何度も議論を重ねてきました。市側は、すでに議会の決議があることや、基本構想(まちづくりの一番のもとになる考え方)などに平和を目指す趣旨が書かれていることを理由に、改めて宣言をする必要はないという立場を示してきました。しかし、核兵器の廃絶や非核三原則(核兵器を持たない・つくらない・持ち込ませない)の遵守、あるいは「非核」という言葉そのものがはっきり掲げられなければ、本当の意味での非核平和都市宣言とは言えないと思います。
質疑・意見委員
これまでの説明を聞いて、ただの平和都市宣言ではなく「非核」という言葉を入れることに意義があると受け止めました。一方で、宣言はしていなくても市は平和に向けた取組をしていると考えていると思いますが、市が行っている取組をどう評価していますか。
質疑・意見委員
(筆頭紹介議員)市は夏にパネル展を開いたり、博物館で同じ趣旨の展示をしたりしていますが、核兵器をなくすというはっきりしたメッセージは示されていないと考えています。平和首長会議への加盟は大切ですが、その一員としての活動だけでは十分とは言えず、市独自の取組も必要です。特に市長は発信力が高く、他の都市が取り組んでいない分野にも積極的に挑戦しているのですから、この分野でこそ核兵器をなくす決意を内外に示すべきです。その点から見れば、今の取組は極めて不十分だと思います。
質疑・意見委員
今の取組では不十分とのことですが、非核平和都市宣言をすれば市の取組が進んでいくと考えているのですか。そうであれば、宣言によって具体的に何が変わると考えていますか。
質疑・意見委員
(筆頭紹介議員)会派としてこれまでも議会で市長に求めてきましたが、福岡県は広島県、長崎県に次いで被爆者が多く、その大半を福岡市が占めています。ですから平和資料館をつくってはどうかと思っています。ほかにも、広島や長崎へ若者を中心とした派遣団を送って被爆の実態を学んでもらい、原爆被害者の会が長年続けてきた語り部活動を引き継ぐ取組なども考えられます。他の都市ではすでに実施している例もあり、見習ってできることは多いので、宣言はそうした取組に踏み出す大きなきっかけになると考えています。
質疑・意見委員
何らかの形で非核平和都市宣言をしている自治体が全体の約95%に上る中で、宣言をしたことで平和に関する取組が進んだと評価されている自治体を把握していますか。把握しているなら、宣言をきっかけに取組がどう進んだのか、目に見える具体例があれば示してください。
質疑・意見委員
(筆頭紹介議員)私は毎年、広島や長崎で開かれている原水爆禁止世界大会に参加しており、これまで高校生をはじめ多くの若者が自治体からの派遣や補助事業で参加している場面に接してきました。その経験からすると、個別の自治体名は挙げられませんが、そうした取組をしている自治体の多くが非核平和都市宣言をしていると認識しています。
質疑・意見委員
広島や長崎への原爆投下は、世界のどこでも二度と繰り返させてはならないと考えています。一方で、原子力の技術には発電所のような平和利用の面があることも事実です。この請願でいう「非核」は、平和利用とは別のものと理解してよいですか。
質疑・意見委員
(筆頭紹介議員)原子力発電についてはいろいろな立場がありますが、我が会派は廃止すべきだと考えており、「非核」という表現に含まれると考えています。一方で、今回も含め長年出されてきた請願の趣旨は核兵器の廃絶と非核三原則の遵守にあり、その精神をはっきり盛り込んだ宣言を求めるものだと認識しています。
質疑・意見委員
原子力の技術を軍事に使わないことは広く共有されている考えだと思いますが、平和利用については意見が分かれるところで、この請願では切り分けられていると理解しました。一方で、今はAIの軍事利用など核以外にも新しい論点が広がっていると思います。この請願は非核平和都市宣言を求めるものですが、今の情勢でも核に絞って議論したほうがよいと考えているのか、見解を伺います。
質疑・意見委員
(筆頭紹介議員)残念ながら世界では軍備の拡大が進んでいますが、核兵器については幅広い立場の人が問題意識を共有できると思っています。日本は唯一の戦争被爆国で、被爆者は長年にわたり「核兵器は悪魔の兵器だ」と世界に訴えてきました。核兵器が軍事に使われていることや、広島、長崎への原爆投下、ビキニ環礁での水爆実験による大きな被害などの実態を踏まえた請願である以上、核兵器に焦点を当てたものと受け止める必要があると考えています。

2. 市が非核平和都市宣言を行わない理由

質疑・意見委員
先ほども述べたとおり、市としては宣言をしなくても平和に向けた取組を適切に行っており、改めて宣言をする必要はないと考えていると受け止めています。その理解でよいのか、改めて見解を伺います。
答弁執行部
市として、平和は何よりも尊いものであり、二度と戦争を繰り返してはならないという願いは全人類共通であるとともに、市民の願いでもあると考えています。今後も、憲法がうたう恒久平和の理念や、これまでの意見書・決議・宣言・基本構想の趣旨に基づき、平和に貢献することを基本精神として市政に取り組んでいきます。
質疑・意見委員
市が平和を軽んじているとは思っておらず、これまで一定の取組を行ってきたと理解しています。一方で、ウクライナやパレスチナ、イランでの戦禍が報じられ、核兵器の使用をほのめかす国もある中で、核の脅威を現実のものとして受け止める市民が増えていると思います。こうした状況を背景にこの請願が出され審議されている以上、これまでの取組をなぞるだけでなく、今こそ新しい行動を起こす必要があると考えています。我が会派としても、その一つとして非核平和都市宣言は効果的な手段になり得ると考えていますが、市民の声や最近の国際情勢を受けて、市の受け止めや姿勢に変化はないのか、見解を伺います。
答弁執行部
ウクライナやパレスチナ、イランなど世界各地で紛争が続き、多くの尊い命が犠牲になっている状況で、一刻も早く平和と秩序が戻ることを願っています。また、こうした情勢の中で市民の平和への関心は年々高まっていると受け止めています。市として非核平和都市宣言はしていませんが、国内1,740都市が加盟する平和首長会議で、他の都市と連携して核兵器廃絶に向けた取組を政府に要請してきており、今後もこうした取組を続けていきます。
質疑・意見委員
非核平和都市宣言について、紹介議員は「非核」という言葉を使う意義を述べていました。市としては「非核」という言葉が入っているから宣言をしないのですか。例えば「平和都市宣言」であればできるのか、見解を伺います。
答弁執行部
この請願は、市長名での非核平和都市宣言を行うことを求めるものです。市としては、「平和」という言葉に核兵器の廃絶や戦争のない安全に暮らせる社会の実現という意味が含まれるという考えのもとで市政を行っており、非核平和都市宣言という形はとっていませんが、平和に向けた取組を続けていくことが重要だと考えています。
質疑・意見委員
非核平和都市宣言をすることで、何か不都合(デメリット)が生じると考えているのですか。そう考えているのであれば、その具体的な内容を伺います。
答弁執行部
非核平和都市宣言について、良い点・悪い点という観点での検討は行っていないため、デメリットを具体的に示すことは難しいです。一方で、宣言をすることを通じて、市の姿勢を対外的に広く表明する効果はあると認識しています。なお、市は平成2年9月にアジア太平洋都市宣言を行っており、国際交流の活動を通じて平和友好を進める姿勢を市内外にPRしてきました。
質疑・意見委員
市はアジアの玄関口として国際交流をより活発にしようとしています。非核平和都市宣言が実際に何かを縛るものではないとしても、国内外に市の姿勢を示すことには一定の効果があると思います。一方で、これまでの説明を聞いても宣言をしない理由がはっきりしません。国際都市としてさらに飛躍していくためにも、宣言には対外的に存在感を発信する意義があると思いますが、改めて見解を伺います。
答弁執行部
市としては非核平和都市宣言はしていませんが、今後も、憲法がうたう恒久平和の理念や、これまでの意見書・決議・宣言・基本構想の趣旨に基づき、平和に貢献することを基本精神として市政に取り組んでいきます。

3. 平和事業の予算と取組内容

質疑・意見委員
平和に関する取組の予算額について、直近5年間の推移を伺います。あわせて、具体的な取組の内容も示してください。
答弁執行部
市の平和事業に関する予算の総額は、令和4年度が4,440万5,000円、5年度が4,442万4,000円、6年度が4,340万8,000円、7年度が5,138万4,000円、8年度が5,314万円です。主な取組としては、総務企画局が平和首長会議に加盟し、被爆した樹木の苗木を市内の学校へ配るとともに、市役所や市民福祉プラザで原爆ポスター展を開いています。福祉局は、福岡大空襲があった6月に戦没者合同追悼式を行っているほか、市民福祉プラザで博多港引揚げ資料の常設展示や引揚げ記念碑の管理をしています。経済観光文化局は、博物館で戦時中の資料を常設展示するほか、毎年6月から約2か月間、戦時下の人々の暮らしを紹介する企画展を開いています。教育委員会は、小中学校の社会科の学習などで平和学習を行うとともに、修学旅行で長崎を訪れる際に原爆資料館の見学や平和祈念館、平和公園などへの訪問を実施しています。
質疑・意見委員
総務企画局に限らず、他の局でも平和に関するさまざまな取組が行われていることは理解しました。一方で、例えば戦時中の引揚げに関する取組には非核というメッセージも含まれているのかもしれませんが、一般的には戦争全体を否定するものだと思います。この請願が重視しているのは「非核」の要素ですが、今の答弁からは非核に焦点を当てた取組が見えてこないと感じます。見解を伺います。
答弁執行部
非核という点については、原爆の悲惨さを伝えることが中心だと認識しています。市では、総務企画局が原爆で被爆した樹木の苗木を市内の学校へ配っているほか、原爆に関するポスター展を開いています。また、教育委員会では、修学旅行で長崎を訪れる際に原爆資料館の見学や平和関連施設への訪問などの取組を行っています。
質疑・意見委員
平和事業の予算額が増える傾向にありますが、これは単に物価高の影響によるものですか、それとも事業を広げた結果ですか。主な増加の要因をどう認識しているか伺います。
答弁執行部
年度によって節目となる機会などを捉えながらさまざまな取組を行っていますが、令和7年度はアジア美術館で特別企画展を開いたほか、戦後80年の節目に当たることから、総務企画局が原爆ポスター展に合わせて平和首長会議主催の「こどもたちによる平和なまち絵画コンテスト」の入賞作品を展示し、教育委員会が総合図書館で戦時中の生活を伝える図書展示や企画上映などを行ったため、増額となりました。

4. 宣言を決める主体と市長の姿勢

質疑・意見委員
非核平和都市宣言を行うかどうかを決めるのは総務企画局ですか、それとも市長ですか。どこが最終的に決定するのか示してください。
答弁執行部
市としての意思決定事項であり、市長を含む市全体の判断によるものです。具体的には、担当する総務企画局で案を検討したうえで、最終的に市として意思決定をすることになると考えています。
質疑・意見委員
そうであれば、今の時点で市長は非核平和都市宣言に後ろ向きである、あるいはまったく検討していないという理解でよいですか。
答弁執行部
この請願については市長にも報告していますが、市の考え方はこれまでと一貫しています。市政の最も重要な指針である総合計画(マスタープラン)の中でも最上位に位置づけられる基本構想で、日本、アジア、世界の平和と繁栄に貢献していくことを掲げており、これは大変重いものだと受け止めています。基本構想の理念に基づき、核兵器の廃絶や戦争のない安全に暮らせる社会の実現に向けて、平和に貢献することを基本精神として、引き続き市政に取り組んでいきます。
質疑・意見委員
市が平和に関するさまざまな取組を行っていることは理解しましたが、それらは被爆した方々が声を上げ続けてきたからこそ実現したものだと思っています。一方で、紹介議員からも問題提起があったとおり、被爆者は年々減っています。今後を見据えて「非核」という言葉を掲げた宣言を残しておくことが重要ではないかと思いますが、見解を伺います。
答弁執行部
被爆者の高齢化が進んでいる実態は承知しており、戦争の記憶が薄れていくなどの課題が生じ得ると考えています。そうならないよう、市としてもしっかりと施策を進める必要があると認識しています。また、若い世代がその思いを引き継いでいくことが重要ですので、教育委員会が行っている児童生徒向けの平和学習や体験学習などを続けていきます。あわせて、年に2回開いている平和関連施策関係課長会議などを通じて、こうした考え方を市役所内でしっかり共有していきます。
質疑・意見委員
これまでの平和に関する取組は、マスタープランに基づいて実施してきたのですか。
答弁執行部
平和に関する取組については、市政の最も重要な指針であるマスタープランに基づいて実施している面もあります。あわせて、市議会では平成元年に平和都市宣言に関する決議が可決され、憲法の恒久平和の理念に基づき非核三原則を厳守することが明記されています。また、平成2年には市としてアジア太平洋都市宣言を行い、平和友好の推進に力を注ぐ姿勢を国内外に示してきました。こうした決議や宣言なども踏まえて、平和に関する施策に取り組んでいます。
質疑・意見委員
非核について訴える根拠を示してください。
答弁執行部
「平和」という言葉には核兵器の廃絶や戦争のない安全に暮らせる社会の実現という意味が含まれるという考えのもとで、市政に当たっています。
質疑・意見委員
市役所の中では一定の認識が共有されているのかもしれませんが、その点が市民に十分伝わっていないという弱さがあるのではないですか。広く理解を得るためには「非核」という言葉をはっきり掲げた宣言を行う必要があるとも考えられます。受け取る側によって理解が分かれてしまう点について、見解を伺います。
答弁執行部
先ほど答弁したとおり、市では「平和」という言葉の中に核兵器廃絶の考え方も含めて捉えています。これは、これまでの請願への対応などでも一貫して示してきたものです。

5. 委員外議員からの質疑・意見

質疑・意見委員
(委員外議員)市は「平和」という言葉の中に非核の意味が含まれているとしていますが、その解釈には無理があると思っています。まず、平和首長会議にはどのような立場の人が参加し、これまでどのような役割を果たしてきたのかを伺います。あわせて、市長自身が核兵器廃絶の必要性をどう認識しているのかについても、改めて答えてください。次に、二元代表制(市長と議会がそれぞれ市民に選ばれる仕組み)のもとで、議会は非核や核兵器廃絶に関する決議や国への意見書を重ねてきた一方、市は「非核」という言葉を含む宣言をしていないのは筋が通らないのではないかと感じていますが、この点をどう考えますか。最後に、基本構想やアジア太平洋都市宣言には非核や核兵器という言葉が一切なく、それを核兵器廃絶や非核の意味だとするのは市独自の解釈にすぎず、国際的には通用しないのではないですか。核兵器禁止条約が成立し発効している現状に照らしても、考え方が遅れているのではないかと考えますが、見解を伺います。
答弁執行部
まず、平和首長会議については、平和に関する施策を担当している総務企画局から、例年、総務課長が出席しています。会議では、さまざまな施策についての議論や、国に要請する内容についての決議などが行われており、市としても一定の役割を果たしていると考えています。次に、市長の考え方については、これまでの議会答弁で、日本は先の大戦を通じて戦争の悲惨さを身をもって経験し、平和が何よりも尊いものだと深く心に刻んでいること、二度と戦争を繰り返してはならないという願いは全人類共通であり市民の願いでもあることを述べてきており、そうした答弁に市長の認識が表れていると受け止めています。次に、市議会の決議と自治体が行う宣言は性格の異なるものだと認識していますが、市としても平成元年の平和都市宣言に関する決議などを尊重し、世界の平和に貢献することを基本精神として市政を行っていきます。最後に、市では「平和」という言葉に核兵器の廃絶や戦争のない安全に暮らせる社会の実現という意味が含まれるという考えのもとで市政に当たっています。
質疑・意見委員
(委員外議員)今の答弁の中で、議会の決議と自治体としての宣言は別のものだという認識が示されました。そうであるならば、議会がこれまで示してきた非核や核兵器廃絶の趣旨に基づき、内容を今の国際情勢に合った文言に見直したうえで、市長名で非核平和都市宣言を行うべきであり、その必要性は一層高まっていると指摘しておきます。平和は全人類共通の願いである一方、今も核兵器の保有や増強にこだわる国があります。ですから、平和一般とは別に、核兵器禁止条約の趣旨に基づいて核兵器は廃絶すべきだという意思を、自治体としてはっきり示すことが求められています。また、これまでの請願の経過を見ても、平成28年以降、請願者を変えながらほぼ連続して同じ趣旨の請願が出されており、その中には高校生平和大使によるものも含まれています。このほか、非核三原則の法制化を求める意見書の提出を求める請願も平成23年から行われてきました。しかし市は一貫して消極的な姿勢を取り、議会としても採択に至らず継続審議が続いてきました。今、世界では複数の戦争が同時に進行し、核兵器を持つ国が戦争に関わる極めて緊迫した情勢です。こうした中で、市が今できる最大限の対応として、まず非核平和都市宣言を行うべきです。委員会としては、請願者をはじめとする被爆者の長年の願いに応える意味でも、この請願を採択するという結論を出すことを強く求めます。(委員長)この請願の取扱いについて、各会派の意見を伺います。

6. 各会派の意見と請願の取扱い

質疑・意見委員
請願者の主張は真摯に受け止めており、趣旨自体は各会派とも理解していると認識しています。この請願は市長名で非核平和都市宣言を行うことを求める内容ですが、市議会では請願は全会一致が基本だと思っています。また、市側も請願の趣旨は理解していると思われるものの、二元代表制のもとで宣言をするかどうかはなお検討中という姿勢であり、市が掲げる「平和」という言葉の中に非核や核の問題も含めて捉えていると説明しています。一方、国においても非核をめぐる国際的な課題にはっきりした結論が出ていない中で、議会として市長の判断を強制すべきではないと考えています。こうした点を踏まえ、我が会派としてはこの請願を継続審査(結論を出さずに審査を続けること)とする立場です。あわせて、紹介議員をはじめとする議員が、毎年の被爆地訪問などを通じて強い思いで取り組んでいることは十分理解しており、同僚として共感する部分もありますが、市長に対してそこまで踏み込んだ対応は求めないと判断し、今回は継続審査と考えます。
質疑・意見委員
我が会派としては、市長名で非核平和都市宣言を行うことは重要だと考えています。一方で、だからこそ全会一致が望ましいと思っており、そうなるまでは継続審査としたいです。
質疑・意見委員
我が会派としては、市が市長名で非核平和都市宣言を行うことには大きな効果があると考えています。毎年のように会派からの要望として求めてきたところであり、今のような状況だからこそ宣言すべきだと思うので、この請願は採択すべきと考えます。
質疑・意見委員
自分の家族が被爆者で、幼いころから原爆の恐ろしさを直接聞いてきた立場として、個人的には請願者の思いに強く共感するところがあります。一方で、核兵器を持つ国が近くにあり安全保障上の懸念がある中、日本が核の抑止力に守られているという現実も踏まえる必要があると考えています。そのため、市が非核平和都市宣言を行うよりも、まずは国が主体となって核廃絶について責任を持って議論し、世界に訴えていくべきだと考えており、この請願は継続審査と考えます。
質疑・意見委員
今の時点では、市の見解と議会の考え方には一定の隔たりがあると受け止めています。市としては、現状でも平和に関する取組をしっかり行っていると認識しているようですが、時代は変化していますので、今後の状況も踏まえながら、この件を重く受け止めて引き続き検討してほしいです。現段階ではこうした認識の違いがあるため、この請願は継続審査と考えます。

出典: 福岡市議会 会議録検索システム
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