5月15日 午前10時06分開会 〃 11時38分閉会 請願審査 7年請願第5号 災害避難所の充実について 本件について審査した結果、結論を得るに至らなかった。 初めに、筆頭紹介議員から「本請願は、福岡市の災害避難所の充実を求める会が取り組んだものであり、署名活動は令和7年7月末から開始されている。当時、本市は大規模地震時の避難者数を人口比の1.5%に過ぎない2万5,000人と想定していたが、能登半島地震における避難者数が人口比の約24%であったことと比べても、極めて少ない想定であったことから始まったものである。避難者数の想定を誤れば、避難所の収容可能人数を超える避難者が殺到し屋内避難ができない事態が生じかねないため、避難者想定数の抜本的見直しが必要であると考えている。その後、福岡県による防災アセスメントの見直しにより、市内の避難者数は23万2,000人、うち避難所への避難者は13万9,000人となるなど当初の5倍強に及ぶと見込まれている。これを踏まえた令和8年3月の条例予算特別委員会の総会質疑での我が会派の質疑に対し、本市においても避難者想定数を県と同規模に見直す方針が示された。あわせて、小中学校の体育館や特別教室、公民館等を合わせて12万6,000人分の避難所を確保し、さらに普通教室も活用することで13万9,000人分を超えるとの答弁があったが、我々の聞き取りによると現場には十分に周知されておらず、実効性に課題があると認識している。また、備蓄については従来から不十分であり、僅か2万5,000人という極めて少ない避難者想定数であるにもかかわらず、食料や水は3日分、ベッドは7~8人に1台、トイレは50人に1基という状況であった。これでは多くの避難者が床での雑魚寝を余儀なくされ、感染症等のリスクを高めるだけでなく、能登半島地震でも問題となったトイレ不足が顕著になり、衛生上重大な事態を引き起こすことになりかねないとの危機感を持っている。あわせて、パーティションやテントは合計で600組しかなく、四十数人に1個しか配分されないなどプライバシーの確保には程遠いと言わなければならない状況であった。加えて、これらの備蓄品の大半は博多区の月隈収蔵庫に保管されており、発災以後に各避難所へ運搬する、または民間企業や国から運んでくることとされていた。これでは仮に道路が寸断された場合には、肝腎な避難所に物資が届かないという重大な問題が起きることから、分散備蓄の考え方を基本とするとともに、備蓄品の数量についても抜本的な拡充を求めるものである。なお、ここで強調すべきことは、3月議会において避難者想定数を見直すとの答弁があったものの、本来であれば備蓄品を5倍以上に増やす必要があるにもかかわらず、僅か2倍程度にする計画にとどまっていることである。水や食料についても、これまでの発災直後3日分から発災当日分になるのであり、僅か1日で避難者が帰宅することは非現実的であることからも、全く間尺に合わない計画となっていることが明らかになっている。トイレやパーティション、ベッドも同様であり、例えばベッドは15人に1台となるなど、配分率は大幅に後退することが明らかとなっている。これでは国際基準であるスフィア基準を全く満たしておらず、2024年の台湾花蓮地震の際に、避難所に僅か3時間で家族ごとのテントが完備されたこととの対比は明確である。本日の請願審査に先立ち、当局に対し備蓄を抜本的に見直す時期を尋ねたところ、現時点では明確になっておらず、令和9年度に入ってからの地域防災計画の見直しに反映させるとの説明であり、極めて悠長な姿勢であることが明らかとなった。能登半島地震では、地震で直接命を落とした人が228人であるのに対し、避難所等での災害関連死は500件を超えたと言われている。また、東日本大震災での災害関連死は3,810件であることからも、避難所環境の整備が極めて重要であることが浮き彫りとなっている。本請願には、備蓄についてはいつか見直せばよいということではなく、早急な見直しが求められるとの趣旨も含んでいる。酷暑や厳寒の中で署名活動を続けてきた請願者の努力を重く受け止め、当局の具体的な準備状況をただした上で、本請願が採択されるよう取り組まれたい」との趣旨説明があった。 次に、理事者から資料に基づき、地震災害時の避難者想定数については、現状では平成24年3月に福岡県が実施した地震に関する防災アセスメント調査の結果に基づき、2万5,072人として福岡市地域防災計画に定めていること、本市では月隈収蔵庫のほか各避難所に分散備蓄を行っており、各避難所にはパーティションやテントの全て、食料や水の約3割、簡易トイレ2台ずつを含む約1割を備蓄しており、簡易ベッドや残りの食料、水などについては月隈収蔵庫に備蓄しているとの説明があった。本請願に対する考え方としては、県が令和7年10月に公表した新たな地震に関する防災アセスメント調査の結果、本市における想定避難者数は最大約23万2,000人とされており、これを踏まえ、地域防災計画に定める想定避難者数を見直すこととしていること、備蓄については、現在、新たな地震被害想定を踏まえ、全庁的にハード、ソフトの両面から防災対策の検証、検討を進めているところであり、その中で、分散備蓄や物資輸送を含め公的備蓄の在り方についても検討し、必要な対策を進めることとしていること、大規模災害時において、発災当日に国等からの支援物資が届かないことも想定し、応急対策として、発災当日に必要となる食料等の確保に取り組むとともに、各避難所への分散備蓄の拡充も進めていくとの方針が示された。 なお、質疑・意見の概要は次のとおりである。
1. 請願が目指す備蓄の水準(紹介議員への質疑)
2. 備蓄食料の入替えと有効活用
3. 想定避難者数の見直しと地域防災計画
4. 分散備蓄の課題と物資輸送路の確保
5. 備蓄状況の公表と市民への周知
6. 新たな被害想定への対策と国・県の動き
7. 防災会議の構成と民間事業者との応援協定
8. 避難所の感染症対策
9. 避難所環境の改善と住宅再建
10. 委員外議員の質疑・意見
11. 各会派の意見と請願の取扱い
出典: 福岡市議会 会議録検索システム
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