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発言のやり取り

総務財政委員会・2026年5月15日(金) 開催

5月15日  午前10時06分開会         〃 11時38分閉会 請願審査  7年請願第5号 災害避難所の充実について  本件について審査した結果、結論を得るに至らなかった。  初めに、筆頭紹介議員から「本請願は、福岡市の災害避難所の充実を求める会が取り組んだものであり、署名活動は令和7年7月末から開始されている。当時、本市は大規模地震時の避難者数を人口比の1.5%に過ぎない2万5,000人と想定していたが、能登半島地震における避難者数が人口比の約24%であったことと比べても、極めて少ない想定であったことから始まったものである。避難者数の想定を誤れば、避難所の収容可能人数を超える避難者が殺到し屋内避難ができない事態が生じかねないため、避難者想定数の抜本的見直しが必要であると考えている。その後、福岡県による防災アセスメントの見直しにより、市内の避難者数は23万2,000人、うち避難所への避難者は13万9,000人となるなど当初の5倍強に及ぶと見込まれている。これを踏まえた令和8年3月の条例予算特別委員会の総会質疑での我が会派の質疑に対し、本市においても避難者想定数を県と同規模に見直す方針が示された。あわせて、小中学校の体育館や特別教室、公民館等を合わせて12万6,000人分の避難所を確保し、さらに普通教室も活用することで13万9,000人分を超えるとの答弁があったが、我々の聞き取りによると現場には十分に周知されておらず、実効性に課題があると認識している。また、備蓄については従来から不十分であり、僅か2万5,000人という極めて少ない避難者想定数であるにもかかわらず、食料や水は3日分、ベッドは7~8人に1台、トイレは50人に1基という状況であった。これでは多くの避難者が床での雑魚寝を余儀なくされ、感染症等のリスクを高めるだけでなく、能登半島地震でも問題となったトイレ不足が顕著になり、衛生上重大な事態を引き起こすことになりかねないとの危機感を持っている。あわせて、パーティションやテントは合計で600組しかなく、四十数人に1個しか配分されないなどプライバシーの確保には程遠いと言わなければならない状況であった。加えて、これらの備蓄品の大半は博多区の月隈収蔵庫に保管されており、発災以後に各避難所へ運搬する、または民間企業や国から運んでくることとされていた。これでは仮に道路が寸断された場合には、肝腎な避難所に物資が届かないという重大な問題が起きることから、分散備蓄の考え方を基本とするとともに、備蓄品の数量についても抜本的な拡充を求めるものである。なお、ここで強調すべきことは、3月議会において避難者想定数を見直すとの答弁があったものの、本来であれば備蓄品を5倍以上に増やす必要があるにもかかわらず、僅か2倍程度にする計画にとどまっていることである。水や食料についても、これまでの発災直後3日分から発災当日分になるのであり、僅か1日で避難者が帰宅することは非現実的であることからも、全く間尺に合わない計画となっていることが明らかになっている。トイレやパーティション、ベッドも同様であり、例えばベッドは15人に1台となるなど、配分率は大幅に後退することが明らかとなっている。これでは国際基準であるスフィア基準を全く満たしておらず、2024年の台湾花蓮地震の際に、避難所に僅か3時間で家族ごとのテントが完備されたこととの対比は明確である。本日の請願審査に先立ち、当局に対し備蓄を抜本的に見直す時期を尋ねたところ、現時点では明確になっておらず、令和9年度に入ってからの地域防災計画の見直しに反映させるとの説明であり、極めて悠長な姿勢であることが明らかとなった。能登半島地震では、地震で直接命を落とした人が228人であるのに対し、避難所等での災害関連死は500件を超えたと言われている。また、東日本大震災での災害関連死は3,810件であることからも、避難所環境の整備が極めて重要であることが浮き彫りとなっている。本請願には、備蓄についてはいつか見直せばよいということではなく、早急な見直しが求められるとの趣旨も含んでいる。酷暑や厳寒の中で署名活動を続けてきた請願者の努力を重く受け止め、当局の具体的な準備状況をただした上で、本請願が採択されるよう取り組まれたい」との趣旨説明があった。  次に、理事者から資料に基づき、地震災害時の避難者想定数については、現状では平成24年3月に福岡県が実施した地震に関する防災アセスメント調査の結果に基づき、2万5,072人として福岡市地域防災計画に定めていること、本市では月隈収蔵庫のほか各避難所に分散備蓄を行っており、各避難所にはパーティションやテントの全て、食料や水の約3割、簡易トイレ2台ずつを含む約1割を備蓄しており、簡易ベッドや残りの食料、水などについては月隈収蔵庫に備蓄しているとの説明があった。本請願に対する考え方としては、県が令和7年10月に公表した新たな地震に関する防災アセスメント調査の結果、本市における想定避難者数は最大約23万2,000人とされており、これを踏まえ、地域防災計画に定める想定避難者数を見直すこととしていること、備蓄については、現在、新たな地震被害想定を踏まえ、全庁的にハード、ソフトの両面から防災対策の検証、検討を進めているところであり、その中で、分散備蓄や物資輸送を含め公的備蓄の在り方についても検討し、必要な対策を進めることとしていること、大規模災害時において、発災当日に国等からの支援物資が届かないことも想定し、応急対策として、発災当日に必要となる食料等の確保に取り組むとともに、各避難所への分散備蓄の拡充も進めていくとの方針が示された。  なお、質疑・意見の概要は次のとおりである。

1. 請願が目指す備蓄の水準(紹介議員への質疑)

質疑・意見委員
請願には水や簡易ベッド、トイレの具体的な数字が出ていますが、どこまで改善すべきだと考えていますか。全員に行き渡るのが望ましいとはいえ現実的な制約もある中で、目指す水準を具体的に示してください。
質疑・意見委員
(筆頭紹介議員)例えば簡易ベッドは8人に1台では足りないという認識から、抜本的な拡充を求めています。水準は国際基準であるスフィア基準(災害時の避難生活について世界で共有されている最低基準)に沿うべきだと考えています。人権や生命を守る観点からは、請願者は全員に行き渡ることを望んでいます。そのうえで、市がこの水準にどう近づけるのか、スケジュールを含めて踏み込んだ見直しと迅速な対応を求めるものです。
質疑・意見委員
請願にある「抜本的な充実」とは、スフィア基準に近づけることだという理解でよいですか。
質疑・意見委員
(筆頭紹介議員)その理解で構いません。
質疑・意見委員
市の備蓄は、他の都市と比べて特に低い水準にとどまっているのか調査しているのですか。
質疑・意見委員
(筆頭紹介議員)他都市との詳しい比較はしていません。この請願の署名活動は、見直し前の福岡県の想定が能登半島地震の実態と比べて極めて不十分だったことが出発点です。その後、警固断層に加えて宇美断層や日向峠-小笠木峠断層といった複数の断層の危険性が明らかになり、県が想定を大幅に見直したことで、請願者の取組には先を見通した正しさがあったと受け止めています。他都市との比較よりも、福岡市ならではの地震リスクに備える責任があるという考えで進めてきたものです。
質疑・意見委員
市民局は地域防災計画を全面的に見直す方針を示しています。スピードを求める趣旨は理解しますが、あえてこの時点で避難者の想定数を早急かつ抜本的に見直すよう求める請願を出した意義を説明してください。
質疑・意見委員
(筆頭紹介議員)大規模地震がいつ起きるか分からず、最近も各地で震度5を超える地震が相次いでいます。令和9年度につくる地域防災計画に反映するだけでは、計画ができてから備蓄や避難所の整備に取りかかることになり、体制が整うまでに2〜3年かかるおそれがあります。令和8年度は例年より多くの予算が組まれていますが規模はなお不十分で、年度内に補正予算を組んで備蓄品をそろえることや、学校や公民館に避難所運営の進め方を早く周知することは、計画を待たずにできるはずです。できるだけ早い段階で進めることを求めています。
質疑・意見委員
請願者が口頭陳情で語った戦後の引揚げや生き残った体験には胸を打たれ、防災を進める必要性を改めて感じました。一方で防災の費用は、投資というより消費的な面があると思います。実施しなかった場合に生じる経済的な損失と、実施した場合の経済効果など、費用対効果をどう考えていますか。
質疑・意見委員
(筆頭紹介議員)費用対効果や経済効果の詳しい試算はしていません。ただ、防災はハード・ソフトの両面で「想定が外れるにこしたことはない」と識者が指摘しており、備蓄品を使わずに済むならそれが一番よいと考えています。一方で、必要なときに備えが足りない状況が最悪であり、災害への備えとはそういう性質のものだと認識しています。
質疑・意見委員
私は地質系の研究で数値の算定もしてきましたが、想定が外れるにこしたことはないというのはそのとおりです。一方で地震の想定値は最大値として示されるもので数字が独り歩きしやすく、実際には不確実性が高く、地震そのものは本質的に分からないという事実も踏まえるべきだと思います。そのうえで、備蓄を今すぐ最大限まで増やすのがよいのか、市のように段階的に増やすのがよいのかという論点があります。市は令和8年度に食料などの備蓄を2倍に増やします。段階的に進めるなら、当面の財源を投資に回し、その成果による税収増を将来の備蓄拡充に充てる考え方も成り立ちますが、どう考えますか。
質疑・意見委員
(筆頭紹介議員)今回の想定避難者数は福岡県がさまざまな知見を踏まえて示したもので、ここまで引き上げる必要があるのだと認識しました。地震はいつ起きるか分からず、段階的に備えても間に合わなければ命を守れないため、念には念を入れて早急に進める必要があります。費用も市の財政規模から見れば過度な負担ではなく、他の分野での節約や、320億円ある財政調整基金のうち20億円程度を使えば、全ての避難者に行き渡る水準を整えられると考えています。
質疑・意見委員
防災は国と自治体の関係でも備えが不十分な点があると思います。市は沖合を震源とする福岡県西方沖地震を経験しましたが、西鉄天神大牟田線の真下を走る警固断層などが動けば最大震度7が想定されることから、県が今回の防災アセスメントの見直しを行ったと理解しています。防災力は都市力の評価指標の一つだと考えています。国は防災庁の設置を進め、最終的には防災省に格上げする方向と理解していますが、国力の観点からも対応が及んでいない点があると思います。いつ起こるか分からない中で全てを自治体が担うのは現実的ではありません。西方沖地震の後、次の地震は最短60年、最長なら数百年後と言われました。最短60年のうちに備えを充実させる必要から今の取組に至っていると思いますが、対策費用の分担も含め、国との関係をどう考えますか。
質疑・意見委員
(筆頭紹介議員)防災で国が果たす役割は極めて重要だと考えていますが、防災庁設置などの動きはあるものの、地震大国としての備えは十分とは言えません。国の対応が不十分でも自治体がそれに引きずられるべきではなく、地方自治体としての独自性と責務が問われます。福岡市は財政力の面からも国の動きを待たずに自主的に備えを進めることができ、住民の福祉の増進や命と健康を守る観点からも先に取り組むべきだと考えており、これは請願者の立場とも一致しています。
質疑・意見委員
災害対応には自助・共助・公助の考え方があり、今日は公助のあり方が議論されていると認識しています。一方で、地域や市民がどれだけ備蓄をしているかについて、自助や共助の観点から確認したことはありますか。
質疑・意見委員
(筆頭紹介議員)自助は市民一人ひとりの備蓄を指すと思いますが、その実態を調べたことはありません。またこの請願は避難所や備蓄の抜本的な充実を求めるもので、そこに占める共助の数値を検証するのは難しく、実施していません。一方で、避難所に備蓄品があるだけで人間らしい避難生活が成り立つわけではなく、市職員の対応やボランティア、住民同士の助け合いも欠かせず、行政だけの責務とは言えません。ただ、この請願は市長宛ての議会請願として、行政が果たすべき責務に絞って対応を求めているものです。
質疑・意見委員
実際の運用を考えると、各校区で備蓄品を適切に保管すべきだと考えていますが、課題は保管場所です。校区には地域防災倉庫がありますが、それだけでは容量が足りないのではないかと思います。備蓄品の保管場所についてどう考えますか。
質疑・意見委員
(筆頭紹介議員)備蓄品を大幅に増やし、月隈収蔵庫からの搬送ではなく分散備蓄にするなら、備蓄倉庫の数や規模も大幅に増やす必要が生じます。ただし請願者としては、倉庫の場所や規模の検討は行政に委ねる考えです。重要なのは備蓄品の数量で、その結果として今の倉庫では対応できないのであれば、行政として早急に全体像を整理して実行してほしいと考えています。

2. 備蓄食料の入替えと有効活用

質疑・意見委員
今の備蓄品について、令和7年度に廃棄した食料品の量を伺います。
答弁執行部
食料品は、毎年4分の1から5分の1程度を入れ替えています。
質疑・意見委員
入替えの対象になった食料品を配っていることは知っており、私も受け取ったことがあります。全部は配り切れていないと思いますが、廃棄量を把握していますか。
答弁執行部
入替え対象の食料品は、地域の防災訓練や防災イベント、市が実施する備蓄促進ウィークや防災フェアなどで配っており、今のところ廃棄することなく備蓄の啓発に活用しています。
質疑・意見委員
今後、備蓄品を5倍に増やした場合でも、廃棄せずに配り切れるものですか。
答弁執行部
令和8年度は応急対策として備蓄量を約2倍に増やす予定で、特定の年度に集中して購入するため、今後は年度によって更新する数量に偏りが出ると見込まれます。入替え食料の有効活用はさらに難しくなることも踏まえ、備蓄品の更新間隔や保存年限、賞味期限の見直しを行い、更新のタイミングが平準化されるよう対応していきます。あわせて出前講座などで家庭内備蓄を勧めており、こうした機会を捉えて啓発に取り組みます。
質疑・意見委員
地域の集会で備蓄品を受け取ったことがありますが、私は生活に困っておらず個人でも備蓄をしています。一方で私の事務所には、ガスが止まりそうで困っている人や、生活保護を使い切って当面の生活に不安を抱えている人からの相談も届きます。物価高の影響もある中、福祉分野との連携も視野に入れれば、防災備蓄を5倍に増やすことに別の意義も生まれると思いますが、どう考えますか。
答弁執行部
例えば令和2年度は新型コロナの影響で各種イベントが中止になり配る機会が確保できず、その際はフードバンクへ提供した実績があります。今後は備蓄食料が大幅に増える予定なので、その活用先についても幅広く検討していきます。

3. 想定避難者数の見直しと地域防災計画

質疑・意見委員
地域防災計画の見直しを進めるとの説明でしたが、現時点での進捗を伺います。
答弁執行部
地域防災計画は、現在、全面的な見直しに向けた原案づくりを進めています。令和7年10月に福岡県が公表した新しい地震被害想定についても対策を検討したうえで計画に反映する必要があると考えており、さらに検討を重ねて原案を整理します。その後、関係部局や関係機関との調整、市議会からの意見聴取、パブリックコメントを行い、令和8年度中をめどに見直し案を整理し、9年度の防災会議に諮ることを目指しています。
質疑・意見委員
市の想定避難者数が、これまでの2万5,072人から見直し後は約23万2,000人へと約10倍に増えているのは異常だと感じます。避難者の定義が変わったのか、検討に新しい要素が加わったのかなど、大幅に増えた理由を説明してください。
答弁執行部
今回の調査は、最新の知見に基づいて最大規模の被害を想定する考え方で行われ、市内の最大震度は6強から7に見直されています。想定避難者数についても、前回は全壊した家屋の影響による避難所への避難者だけを数えていましたが、今回は半壊家屋の影響による避難や、ライフラインの被害によるものも含めて算定されています。さらに23万2,000人には、避難所への避難者だけでなく車中泊などの避難所外の人も含まれており、対象が広がっています。
質疑・意見委員
県が示した想定数に基づいて対応してきたという市の基本姿勢は理解しています。一方で請願にもあるとおり、能登半島地震では避難者が人口の約24%に達しました。能登と福岡市では事情が違うことは重々承知していますが、仮に同じ割合で避難する事態になれば、今の想定では到底対応できないのではないかと感じます。県の想定値をそのまま採用することには懸念がありますが、どう考えますか。
答弁執行部
令和7年10月に公表された新しい被害想定では、避難者数の見直しに加えて、これまで最も影響が大きいとされてきた警固断層帯南東部の陸域地震だけでなく、海側と連動した場合の被害想定も示されています。また、宇美断層や西山断層帯、日向峠-小笠木峠断層帯など、警固断層帯以外の断層でも大規模な被害が生じ得るとされています。こうした状況を踏まえ、示された数値だけを基に考えるのではなく、被害想定の内容を十分に分析したうえで必要な施策を検討し、対策を進める必要があると考えています。
質疑・意見委員
請願事項である「地震災害時の避難者想定数を早急かつ抜本的に見直すこと」について、市としては県が示した想定値をそのまま採用するのではなく、市独自の観点からも見直すという理解でよいですか。
答弁執行部
災害対策基本法で、市町村が定める地域防災計画は都道府県の計画との整合を図る必要があるとされています。したがって市の地域防災計画の見直しでは、福岡県が示した想定避難者数に準じる必要があると考えています。一方で、その数値を踏まえた具体的な対策は、被害想定の内容を十分に検討したうえで、どのような施策を講じるかを整理していく必要があります。
質疑・意見委員
県が示した想定避難者数が23万2,000人なので、市もその数値に合わせる必要があることは分かりました。一方で備蓄や各種の対策は、その人数に限って対応すればよいという考えではなく、市としてそれにとどまらない対応を図るという理解でよいですか。
答弁執行部
被害想定にはさまざまな要素が複雑に関係しているため、その内容を十分に分析したうえで必要な対策を検討する必要があると考えています。

4. 分散備蓄の課題と物資輸送路の確保

質疑・意見委員
これまでも分散備蓄を進めるべきだと指摘してきましたが、思うように進んでいません。分散備蓄を進めるうえでどんな課題があり、なぜ今の水準にとどまっているのか、改めて伺います。
答弁執行部
分散備蓄には保管場所の確保などの課題がありますが、可能な範囲で毎年進めています。令和8年度は、新たに増やす食料や水、携帯トイレを小学校に配置する予定です。また、月隈収蔵庫に収まらない分は新たに民間の倉庫を借り上げることとし、提案競技の仕様書で2か所以上に分けて確保することを条件にするなど、分散備蓄に取り組んでいます。
質疑・意見委員
分散備蓄は、小学校に限って配置することにこだわる必要はないのではないですか。例えば新しくできた周船寺中学校やリニューアルした市民ホールには備蓄に使えそうなスペースがあるのに、実際には備蓄されていません。所管する局が違うことは理解しますが、新しく整備される施設も含めて公共施設をもっと柔軟に使いながら分散備蓄を進められないかと思いますが、どう考えますか。
答弁執行部
基本的な考え方としては、避難所に備蓄して必要なときに使えることが重要だと考えています。これまで大規模な保管場所は月隈収蔵庫の1か所だけでしたが、現在は可能な範囲で市民センターや体育館への分散を進めています。あわせて、公共施設が建て替えられる際には関係部局と調整しながら分散備蓄の拡充を図っていきます。
質疑・意見委員
避難所を中心に備蓄する考え方や小学校への配置には一定の合理性があると理解していますが、今回新たに車中泊という概念が加わり、約9万3,000人が避難所の外で避難することになる点は重く受け止める必要があります。自宅の庭やガレージで車中泊をする人も想定されるため、そうした避難者にどうやって物資を届けるのかという課題があります。町内会などの協力も含め、速やかに届けられる体制づくりが必要で、この想定人数が示された以上、分散備蓄の重要性は一層高まると思います。車中泊を含む避難所外の避難者への物資提供をどう考えていますか。
答弁執行部
車中泊については、今の地域防災計画に特化した規定はなく、避難所外避難者という位置づけで、避難情報や食料などの提供は避難所の避難者に準じた扱いとしています。一方で、車中泊にはエコノミークラス症候群などの健康被害や、避難者の居場所をつかみにくいという課題があることから、国は車中泊専用スペースをあらかじめ指定する考え方を示しています。また市では「ツナガルプラス」という防災アプリを運用しており、やむを得ず指定避難所に入らず公園や駐車場などで避難している場合も、アプリ内で指定外避難所として登録して自分の居場所や足りない物資を発信できるようにしています。
質疑・意見委員
月隈収蔵庫に加えて、食料や水の3割、簡易トイレ2台を含む約1割を各避難所に分散備蓄しているとの説明でしたが、この数字に設定した根拠はありますか。
答弁執行部
特定の根拠があるわけではありませんが、各避難所の保管スペースを考えて、食料はパンとご飯を合わせて480食分、水は240本、簡易トイレは2台を各避難所に備蓄しています。
質疑・意見委員
これまでの説明を聞き、受入れ体制が整えば分散備蓄の割合を増やしていく方向だと理解しましたが、急激な拡大は難しいとも思います。そこで月隈収蔵庫から各地へ物資を運ぶには道路の状況が重要になると考えており、特に無電柱化が課題になるのではないかと思いますが、市民局と道路下水道局の間でどんな協議が行われていますか。
答弁執行部
無電柱化に限らず、緊急輸送道路に近い道路も含めて道路機能の確保は重要だと考えています。緊急輸送道路などを着実に確保しながら、市内への物資輸送が円滑に行えるよう取り組んでいきます。
質疑・意見委員
道路下水道局が防災の観点も踏まえて無電柱化を進めていると理解していますが、一方で景観や観光の視点も重く置かれている面があります。無電柱化に特化した協議は行われていないようですが、市民局として、特に重要な道路は重点的に無電柱化を進めるよう道路下水道局に明確に働きかける姿勢を示してほしいです。電柱が倒れて通行に支障が出るおそれのある道路など、対策が必要な箇所は把握していますか。
答弁執行部
福岡県が緊急輸送道路を指定しており、県の協議会などを通じてその状況を把握しています。
質疑・意見委員
緊急輸送道路は具体的に何か所くらいありますか。また、その協議会の全体像を示してください。
答弁執行部
協議会には福岡県をはじめ九州地方整備局や高速道路公社などが参加し、毎年、関係機関の間で協議を行っています。また緊急輸送道路は、県の計画で個別の地点ではなくルートとして指定されているものです。
質疑・意見委員
緊急時の物資輸送については、民間事業者と防災協定などを結んで、災害が起きたときに備蓄品を運ぶ体制が整えられていると理解しています。一方で、災害時にはその事業者自身が被災する可能性もあり、実際に動けるのかという点には懸念があります。そのときにならなければ分からないのが実情だとは思いますが、民間事業者との協定はどのような形で結ばれているのか、あわせてどうやって実効性を担保しているのか、改めて説明を求めます。
答弁執行部
物資輸送に関する民間事業者との連携では、公益財団法人福岡県トラック協会と災害時応援協定を結んでおり、そのときに対応できる事業者に輸送を依頼することとしています。また実効性を担保するため、毎年度の初めに夜間や休日を含めた緊急連絡体制とあわせて、協定内容の確認を行っています。
質疑・意見委員
例えば災害ごみの処理も同じで、民間事業者との協定は結ばれているものの、過去の水害では民間事業者が十分に機能せず、市が初動から対応せざるを得なかった事例がありました。こうした経験を踏まえると、協定は実効性が確保されていることが重要であり、市民局として責任を持って対応してほしいと意見を述べておきます。

5. 備蓄状況の公表と市民への周知

質疑・意見委員
月隈収蔵庫に加えて各避難所にも分散備蓄をしているとのことですが、2005年の福岡県西方沖地震の後、各小学校への防災倉庫の設置や簡易ベッド、資機材の配備など順次拡充してきたと理解しています。一方で、請願審査の資料には令和7年度と8年度の備蓄品の大枠が示されていますが、分散備蓄分を切り分けるなど、どこに何がどれだけあるのかを分かりやすく書けないかと思います。例えば各公民館にどれだけ備蓄があり、通常の避難所運営を想定して何日分対応できるのかといった目安は示されていますか。
答弁執行部
令和7年度の法改正で、自治体には年1回の備蓄状況の公表が義務づけられ、市も対応しています。従来は地域防災計画の資料編に品目ごとの数量を載せていましたが、今はそれに加えて避難所ごとの内訳も公表しています。一方で、避難所ごとに何日分対応できるのかなど、より分かりやすい情報提供が必要だと認識しており、今後、備蓄状況の公表方法についても検討していきます。
質疑・意見委員
今回の資料では避難者数や備蓄量といった大枠の数字は分かりますが、実際に避難所である小中学校や公民館に行ったときに、そこでどんな支援を受けられるのかが市民に具体的に見えることが重要だと考えています。またこの請願は公助の役割に絞ったものですが、各家庭での備蓄や共助の取組も含めた備蓄の状況が分かりやすく示されれば、市民の安心につながるのではないでしょうか。今、市のホームページなどでこうした情報はどこまで公表されていますか。
答弁執行部
今ホームページで公表している備蓄状況は、品目ごとの数量を基本に、月隈収蔵庫や公民館、学校といった施設区分ごとに整理したものです。一方で、個別の公民館や学校にどれだけ備蓄があるかという単位での公表までは行っていません。
質疑・意見委員
約150ある公民館で基本的に同じような備蓄が行われていると認識していますが、その内容が市民に十分伝わっていないと感じます。自宅が被災して避難所に来たときにどんな支援を受けられるのかが分かることが重要ですし、自助・共助・公助はそれぞれ連動するものだと思います。また分散備蓄の実態や、いわゆるTKB対策(トイレ・キッチン・ベッドを整える対策)としてのキッチンカーの活用なども、市民には十分知られていないのではないでしょうか。議員からの説明には限界があるため、ホームページや市政だよりを活用して分散備蓄や支援体制を分かりやすく周知していくことも今後の課題だと考えますが、どう考えますか。
答弁執行部
自助・共助・公助の考え方は重要だと認識しており、福岡県も自助・共助を基本とし、公助はそれを補完するものと位置づけています。市としても、家庭内備蓄の重要性や、自治体としてどの程度の備蓄をしているのかを市民に分かりやすく伝える必要があると考えており、出前講座やホームページ、市政だよりを活用して周知に取り組んでいきます。
質疑・意見委員
私の住む校区では、自治協議会や単位自治会で災害時に使える資金や備蓄品が一定程度確保されています。こうした取組とも連携し、自助・共助・公助を合わせた形で数字を示してほしいと意見しておきます。

6. 新たな被害想定への対策と国・県の動き

質疑・意見委員
市民局の現状説明やこれまでの質疑を踏まえると、市の想定避難者数は福岡県の計画と整合を取る必要があるとのことですが、結果として県と同じ数値になるという理解でよいか確認します。
答弁執行部
災害対策基本法で、市町村が定める地域防災計画は都道府県の計画との整合を図る必要があるとされているため、今回の見直しでは福岡県が示した想定避難者数に見直す方向で検討しています。
質疑・意見委員
想定避難者数が大幅に増えた背景には、避難所の外での避難や車中泊といった新しい避難の形が含まれていることが影響していると理解していますが、具体的な対策について示せることはありますか。
答弁執行部
今回の調査は前回と比べて想定の条件や対象範囲が大きく変わり、避難者数の算定方法も変わっています。そのため、まずは今回示された調査結果の内容を十分に分析したうえで対策を検討することとしており、地域防災計画にもその検討内容を反映していきます。
質疑・意見委員
これまでの各委員の質疑や意見を踏まえ、特にインフラが止まったときに天神や博多周辺で多数発生すると想定される帰宅困難者への対応を含め、避難者対策や建物被害、人的被害など新しい被害想定に基づく対策を十分に検討し、地域防災計画の見直しに取り組むよう要望します。また検討に当たっては、特定の部局に限らず全庁で横断的に連携するよう求めておきます。
質疑・意見委員
新しい想定避難者数を踏まえた、備蓄全般に関する考え方の概要を示してください。
答弁執行部
新しい想定避難者数を踏まえ、市では全庁横断のプロジェクトを立ち上げ、ハード・ソフトの両面から対策の検討を進めています。その中で公的な備蓄のあり方についても改めて検討し、必要な対策を講じていきます。あわせて当面の応急対策として、令和8年度予算で発災当日分の備蓄品を確保することとしています。
質疑・意見委員
今回の想定の見直しは福岡県が行ったものですが、県は備蓄についてどんな対策を講じていますか。
答弁執行部
福岡県は、昨年10月に公表した新しい被害想定を踏まえ、令和8年2月に備蓄基本計画を改定しています。同計画では、県民や自主防災組織、事業所などによる自助・共助を基本とし、平時から必要な物資を備蓄することが重要とされ、公助による備蓄や調達はそれを補完するものと位置づけられています。また広域自治体として市町村を補完する立場から、物資備蓄の充実や調達体制の整備を進めており、県内の被災自治体に配るため、最大想定避難者数の1日分の物資を確保することとされています。
質疑・意見委員
県は広域的な視点で対応する必要があり大変だと思う一方、市も地形や都市構造が多様なので、備蓄には工夫が求められると認識しています。他方、国はどんな対応を進めているのか、把握している範囲で説明してください。
答弁執行部
国は東日本大震災を契機に、被災自治体からの要請を待たずに必要な物資を被災地へ届けるプッシュ型支援を導入しています。今もその体制を拡充しており、能登半島地震のときは発災の翌日に物資が届いたと聞いています。またプッシュ型支援のための備蓄は、九州をはじめブロック単位で分散備蓄を行い、速やかな物資支援ができる体制を整えていると理解しています。
質疑・意見委員
私は以前、令和7年の決算特別委員会の総会で市の災害対応について質疑し、耐震強化岸壁の整備が終わっていないことや、能登半島地震では発災翌日に港湾を通じて支援物資が届いたことなどを取り上げました。インフラが機能しなくなり食料の確保や帰宅が難しくなる状況では、備蓄は防災対策の根幹をなす重要な要素だと認識しています。能登半島地震など繰り返し発生する大規模災害の教訓を踏まえ、備蓄や支援体制のあり方は絶えず見直されてきたと思います。大規模災害時に被災自治体だけでの対応には限界があるため、国や県の支援体制を踏まえたうえで、周辺自治体との連携も含め、備蓄について戦略的に全庁で検討を進めるよう要望しておきます。

7. 防災会議の構成と民間事業者との応援協定

質疑・意見委員
先日、防災会議の様子をテレビで見ましたが、例えば警察や自衛隊など、市以外の参加機関を示してください。
答弁執行部
防災会議は市長を会長とし、75人以下の委員で構成することとされており、現在は会長以下49人で構成されています。委員には警察のほか自衛隊や国土交通省などの国の機関、公共交通機関やライフライン事業者、自治協議会などの地域の代表者も含まれています。
質疑・意見委員
後日、資料をもらいたいのですが、トラック協会や電力会社などのインフラ事業者も参加していますか。
答弁執行部
会議の委員には、電気やガスをはじめとするインフラ事業者も含まれています。
質疑・意見委員
これだけ多くの関係者が参加してくれるのは非常にありがたいことですが、防災会議が開かれたことや、令和9年度に地域防災計画の見直し内容が同会議で示される予定であることは、市民局からの報告ではなく報道で知りました。今後は会議の具体的な内容や議論の状況を所管の委員会にも共有してください。防災対策にゴールはなく、今想定できる課題を踏まえながら、さまざまな角度から強化すべき点を継続的に検討する必要があると考えます。また以前、月隈収蔵庫を視察した際に、収蔵庫の周辺が水害に遭った場合の物資輸送はどうするのかと尋ねたところ、志免町からの迂回ルートを使うという説明がありました。道幅も狭く物流事業者も大変だろうと感じ、収蔵庫があるからといって安心できるものではないと思っており、今後の検討では収蔵庫の分散化も考える必要があります。先ほど備蓄倉庫を2か所以上新設するとの説明がありましたが、その立地も我々には知らされていません。ホームページの膨大な資料を隅々まで読むのは現実的ではないので、市民局から情報提供してほしいと思っています。単に備蓄しているだけでは十分とは言えず、どこにどれだけの拠点があり、災害時にどう活用されるのかなど、全体像を分かりやすく示してください。こうした情報が整理されていれば、地域住民などから尋ねられたときにも説明しやすく、市民の安心にもつながると考えるため、今後の情報共有と説明の充実を要望しておきます。
質疑・意見委員
土木や建築、プロパンガスの業界などと災害時の応援協定を結んでいると思いますが、食料品の備蓄には限界がある中で、スーパーや量販店、コンビニなどとの協力体制に関する契約はありますか。
答弁執行部
食料についても民間事業者と災害時応援協定を結んでおり、大手量販店などとも連携しています。こうした流通備蓄の活用を踏まえつつ、発災当初から国のプッシュ型支援が届くまでの間に必要な食料の確保に努めていきます。
質疑・意見委員
具体的な契約行為などはあるのですか。
答弁執行部
災害時応援協定を結んでおり、災害が発生したときには市から協定先に物資の調達を依頼する仕組みになっています。

8. 避難所の感染症対策

質疑・意見委員
想定避難者数が増えることに伴い、避難所などでの感染症のリスクも高まると考えられますが、どんな取組を行っていますか。
答弁執行部
感染症対策は重要な課題だと認識しており、各防災倉庫にマスクや体温計、消毒液などの感染症予防のための資材を備蓄しています。あわせて避難所を開設する際は、1人当たりおおむね4平方メートルを目安に一定の間隔を確保することとしています。また体調が悪い人には避難所内に設ける福祉避難室を使ってもらい、重症の場合は医療機関につなぐこととしています。
質疑・意見委員
説明を聞いて安心した部分もありますが、災害時には水が使えなくなることも想定され、アルコール消毒や除菌用品に不安を覚える市民も多いと思います。基本的には自分で備えるべきものである一方、行政としても適切に備蓄することを求めたいですが、どう考えますか。
答弁執行部
現在は感染症対策として、マスクや消毒液、ハンドソープ、フェイスシールド、手袋などを備蓄しています。今後は必要に応じて、これらの拡充についても検討していきます。

9. 避難所環境の改善と住宅再建

質疑・意見委員
請願者の最大の関心は避難所の環境改善にあり、これは市の都市力にも関わることだと思っています。加えて、災害後の仮住まいの確保から最終的な住宅再建までの流れが重要です。過去の福岡県西方沖地震では大規模避難所での雑魚寝やトイレ環境の問題が指摘されましたが、その後トイレカーの導入など一定の改善も進んだと認識しています。そこで、当時の実績と比べて今の避難所環境がどう改善され、今後さらによくしていこうとしているのかを確認したいです。また大規模地震が起きた場合は市営住宅だけでは限界があるため、仮設住宅をどこにどう整備するのかについて、住宅都市みどり局や総務企画局などの関係部局と連携して具体的に想定しておくことが重要だと思います。このほか熊本地震では、窓ガラスが飛び散って体育館を避難所として使えず、通路や玄関口を避難場所とせざるを得なかった事例もあり、これも課題の一つです。市では小中学校の体育館に順次空調が整備され、公民館も150坪化に伴う建て替えで比較的新しい施設になっているため、避難所環境は一定充実していると思いますが、多くの避難者が殺到した場合の対応が心配です。福岡県西方沖地震の当時と比べて、避難所環境の改善をどう考えていますか。
答弁執行部
福岡県が実施した防災アセスメント調査の結果を重く受け止めており、被害想定が大幅に拡大していることを踏まえ、防災対策を改めて強化する必要があると認識しています。避難所の受入れ環境の充実はもとより、その先の仮設住宅への円滑な移行を含め、災害関連死(避難生活などが原因で亡くなること)の防止を最も重視しており、TKB(トイレ・キッチン・ベッド)の充実などに取り組んでいきます。これまでの教訓を踏まえながら市にできることに着実に取り組むとともに、国が進めるプッシュ型支援などの仕組みも活用しながら、最適な組合せを模索していきます。現在、全庁横断でハード・ソフト両面からの検証を進めており、今後の対策を地域防災計画に反映したうえで訓練を重ね、災害に強い体制を築いていきます。
質疑・意見委員
請願者の最大の思いは避難所環境を改善することであり、市にはしっかり取り組んでほしいです。福岡市は比較的災害の少ない住みやすい都市だと認識していますが、有事の際に行政がどのように対応したのかという点も都市力の重要な要素です。そうした観点から、防災対策、とりわけ避難所環境の向上について、今後もしっかり取り組むよう要望しておきます。

10. 委員外議員の質疑・意見

質疑・意見委員
(委員外議員)今日の質疑で自助・共助・公助の関係に言及がありましたが、自助が前面に立つと災害時に命を守れなくなると考えています。能登半島地震では下水道が断たれてトイレ周辺の衛生環境が極めて悪くなったことが大きな課題ですが、自助でトイレを備蓄するのは現実的ではありません。プライバシーを確保するためのテントやパーティションについても、避難者が自分で避難所に持ち込むのは困難です。国は自助・共助を強調しているという説明でしたが、この請願では、公助として避難所に最低限の準備ができているのかが問われています。スフィア基準では飲料水と生活用水を合わせて1人1日15リットルの水が必要とされているのに対し、市の今の計画では500ミリリットルのペットボトル1本だったと思いますが、この関係についてどう考えますか。あわせて、答弁を聞く限り自助・共助に偏って公助が後ろに退いていると感じており、市民の命を守るには認識を改める必要があると思いますが、答弁を求めます。また、今のまま大規模な災害が起きれば大変な事態になると想定されるため、最大限のスピード感で対応を進める必要があります。地域防災計画の見直し自体は必要なことですが、令和9年度の策定を目指すのではあまりに悠長ではないかと思っており、計画の見直しと並行して備蓄品を整備することは可能だと考えますが、どう考えますか。
答弁執行部
水の確保、自助・共助・公助の考え方、今災害が発生した場合の対応の3点について答えます。まず水については、令和8年度に応急対策として備蓄品を確保する中で、最大想定避難者数23万2,000人のうち避難所へ避難する13万9,000人の全員分に加え、家庭内備蓄率が約4割であることを考慮し、在宅避難や車中泊を想定した9万3,000人の6割分を加えた合計19万5,000人分を確保することとしています。量は1人1日当たり500ミリリットルを3本とし、食事と合わせて提供したいと考えています。飲料水以外の生活用水については、水道施設が被災した場合、水道局が中心となり福岡市水道局災害応急対策計画などに基づいて、他都市や自衛隊などの支援も含めて応急給水を行う体制としています。次に自助・共助・公助については、国や県は自助・共助を基本としつつ、それを補完するものとして公助が必要という考え方を示しています。市としても、発災直後は国などの支援が届かない場合も想定し、応急対策として令和8年度に発災当日分の備蓄を行うとともに、家庭内備蓄や共助を踏まえた必要量については、今後、全庁的なプロジェクトの中で検討します。最後に、今災害が発生した場合の対応としては、市の備蓄に加えて、まず県の備蓄、次に県内自治体との相互応援協定による支援、さらに九州市長会の災害時相互支援プランによる広域支援を受けることとしています。あわせて民間事業者との協定による流通備蓄を活用しながら、国のプッシュ型支援につないでいきます。
質疑・意見委員
(委員外議員)公助は自助や共助を補完するものであるという国や県の考えが示されましたが、災害の現場に照らせば不十分な考え方だと言わざるを得ません。これまで阪神・淡路大震災や福岡県西方沖地震、東日本大震災、熊本地震など数々の震災を経験してきたにもかかわらず、この数十年で避難所の環境はほとんど改善されていません。能登半島地震でも雑魚寝の状況が繰り返されたと言われており、国は何をしてきたのかが問われるとともに、各自治体で差はあるものの、国の動きに応じた計画しか立てられなかったことが住民の命を守れなかった要因の一つだと思っています。今こそ避難所環境を格段に改善することが求められています。我が会派は令和7年の当初議会でも想定避難者数や備蓄が不十分だと指摘しましたが、福岡県の動向を注視するとして対応が1年先送りにされました。それに加えて今回も地域防災計画の見直しに1年かけるとのことで、あまりに悠長過ぎると思います。仮に今夜にも大規模地震が起きれば、現行の体制では深刻な事態が想定されるため、応急対策は発災当日分にとどめることなく、少なくとも現行どおり3日分の備蓄品を確保し、さらに充実させていく体制を整えてほしいです。一刻を争う事態であることを指摘しておきます。行政として今後も努力していくとは思いますが、議会としてもこの請願を採択することで取組を後押ししてほしいです。各会派の立場がさまざまであることは理解していますが、早急に取り組むべき課題が明らかになっています。有事の際に市民の命を守るためにも、各会派の違いを乗り越えてこの請願を採択することを求めます。(委員長)この請願の取扱いについて各会派の意見を伺います。

11. 各会派の意見と請願の取扱い

質疑・意見委員
さまざまな質問や意見が出されましたが、地域防災計画については国や福岡県などの動向を踏まえながら見直しを進めていくとのことなので、継続審査(結論を出さずに審査を続けること)と考えます。
質疑・意見委員
これまでも福岡県の動きに歩調を合わせながら取組を広げてきたと認識しており、今後もさらに前に進めてほしいという思いから、継続審査と考えます。
質疑・意見委員
我が会派としても今の防災体制が十分だとは考えておらず、これまでも議会で繰り返し指摘してきました。新しい被害想定や地域防災計画の見直しなどさまざまな要素がある中、今後拡充を進めるとの説明があった備蓄状況を注視していきたいと思っており、継続審査と考えます。
質疑・意見委員
今日の請願審査を通じて理解が深まったと感じており、市民局からも真摯な答弁があったと受け止めています。一方で、なお見直しが必要な点は多く残っており、実態に即した計画となるよう引き続き検討を進めてほしいことから、継続審査と考えます。
質疑・意見委員
私自身、福岡県西方沖地震の際に自宅マンションが半壊する被害を経験しましたが、その後も日本各地で地震や災害が相次ぐ中、市としても対策を進めてきたと認識しています。一方で、この請願を受けて、市としてさらなる取組の必要性を改めて感じたのではないかと思っており、議会としてもその取組状況を注視しながら共に進めていきたいため、継続審査と考えます。

出典: 福岡市議会 会議録検索システム
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